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ツグミ(鶫)ヒタキ科
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2011年3月5日 最終更新日:2023年6月5日
冬鳥ですが、暖かくなるころが観察のチャンス
ツグミは11月頃から4月下旬頃まで市内でもよく見かける、代表的な冬の渡り鳥です。体の大きさは全長24cmとスズメよりかなり大きく、ヒヨドリとほぼ同じくらいです。雌雄同色で、体の上面は褐色、翼が茶褐色、下面は白っぽく、黒い班があります。全体的に比較的地味な色合いなので、野原などでじっとしていると、保護色となってあまり目立ちません。
ツグミはシベリアなどで繁殖し、秋、寒さがだんだん厳しくなると餌を求めて日本に渡ってくるのです。秋の夜空から「ツィー」というツグミの独特の声が聞こえてくると、そろそろ冬だな、と感じます。
「鳥目(とりめ)」といって、鳥は夜、ものが見えないと思いがちですが、ほとんどの鳥は夜にも視力があり、星座の位置で方向を確かめながら、夜に渡ってくる鳥も多いそうです。これは鷹などの外的から身を守るためといわれています。
雑食性で、木の実や昆虫などの小動物を食べます。2010年度の冬は、日本海側で大雪が降ったせいか、多摩地区に渡ってきたツグミの数がとても多く、1月には市内の公園などで、群れで行動しているツグミをよく見かけました。年によってツグミの渡来数は大きく変動し、まったく見かけない年もあります。渡ってきたばかりのころは警戒心が強いのか、高い木の上にいることが多く、姿をゆっくり見せてくれませんが、カキやトウネズミモチなどの木の実が食べつくされる2月ごろになると、地面に降りてミミズなどの小動物を食べている姿が多くなり、じっくり姿を見る機会も増えます。写真は3月に畑で餌を探しているところを撮ったものです。
越冬のために日本に渡ってくるツグミの声は「クワッ、クワッ」などの地鳴きしか聞くことがありませんが、暖かい日には、小さくさえずりのような声を発することがあります。ツグミの仲間は、クロツグミなどのように繁殖期に美しいさえずりを聞かせてくれるものが多いので、きっと、故郷ではよい声でさえずっているのでしょう。
- 参考文献
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- 日本の野鳥 山渓ハンディ図鑑 叶内拓哉著 山と渓谷社
- フィールドガイド日本の野鳥 高野伸二著 日本野鳥の会