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スズメ(雀)ハタオリドリ科
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2009年4月13日 最終更新日:2023年6月5日
人家のないところにはいない
スズメは私たち日本人にとって、古くから最も身近な野鳥といえるでしょう。舌切雀などの童話にも多く登場します。よく知られているように稲などを食べ荒らす害鳥で、畑の中の「かかし」はスズメから農作物を守るためにつくられるものです。しかし、春から夏にかけて、特に雛を育てる時にはたくさんの毛虫や青虫などを捕食しますので、益鳥でもあります。中国では、1955年頃農作物を荒らすスズメをネズミなどとともに撲滅させる運動を行ったそうですが、スズメがいなくなったかわりに、害虫が急増し、取りやめになったそうです。
「留鳥」として一年中私たちの身近な場所にいるスズメですが、繁殖期が終わって秋口になると当年に生まれた若鳥を中心に、かなりの距離を移動する「渡り」をしていることがわかってきています。寒さが厳しくなると餌を求めて南下するのでしょうが、定着性の強い種であるスズメにとって、遺伝子を分散させる意味があるのかもしれません。
また、例えば高尾山に登るとき、鳥をみながら歩いて行くと、麓の集落のまわりにはスズメがいますが、森のなかに入っていくとスズメに出会うことはなくなります。しばらく歩いて、薬王院の周辺にくるとスズメの姿をみます。また森の中に入ると見かけなくなり、山頂の茶店の近くでは見かけます。このように、スズメは私たち人間の生活と密接につながって暮していて、人間の住まいのないところには住んでいません。
スズメは全長約14.5cmの小鳥で人家の瓦の隙間や、木の洞などに巣を作りますが、近年はコンクリートビルが増え、住宅難といえるでしょう。シジュウカラ用の巣箱の入口を広げて使うこともあります。
5月10日~16日はバードウィークです。「なんだスズメか」といわずに身近な野鳥をよく観察してみてください。水浴びのときなどはとても可愛らしいしぐさをみることができます。きっと癒されますよ。
- 参考文献
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- スズメのお宿は街のなか 都市鳥の適応戦略 唐沢孝一著 中公新書
- フィールドガイド 日本の野鳥 日本野鳥の会