ここから本文です
アゲハチョウ(揚羽蝶)
作成・発信部署:都市整備部 緑と公園課
公開日:2009年2月16日 最終更新日:2009年3月1日
【連載第21回】平家の代表紋にもなった蝶
アゲハチョウはナミアゲハとも呼ばれ、全国で普通に見られるチョウです。アゲハチョウの仲間はチョウの中でも最も体の大きなグループに属します。
大きな羽を羽ばたかせて飛び、吸水・吸蜜や産卵も羽ばたきながら行います。春から夏までの間に関東地方では4回繁殖し、世代交代するそうです。チョウやガの仲間(鱗翅目)は卵→幼虫→さなぎ→成虫という完全変態をします。アゲハチョウの冬越しはさなぎでします。
アゲハチョウの幼虫はいわゆる青虫ですが、ふ化後の1齢幼虫から3回脱皮を繰り返し、4齢までの幼虫の姿は黒っぽい色に白い模様が入っていて、鳥のふんにそっくりです。外敵に食べられないように鳥のふんに擬態していると言われています。4回目の脱皮をし、5齢幼虫になると葉と同じ緑色になります。
また、幼虫は頭部と胸部の間に「臭角」という派手な黄色の1対の角を持っています。普段は体内にしまわれていますが、外敵に襲われると体液の圧力で臭角を突き出し威嚇します。この時、臭角の表面にはテルぺノイドという物質を主成分とした強い臭いを出す成分が分泌されています。角の色と臭いの両方で外敵を撤退させようという作戦です。
市内では4月末から10月ごろまでアゲハチョウが飛んでいる姿をよく見かけます。幼虫はミカンやサンショウ、ユズなどのミカン科の植物を食草としますが、これらの木が住宅地の庭によく植えられているからでしょう。
アゲハチョウの語源は、「羽を揚げて」休む様子から来ているそうです。「揚羽蝶」をモデルにしたデザインが平家の家紋に多く使われているのは有名です。古くから私たちの生活に溶け込んだチョウであったことがわかります。
- 参考文献
- 府中の昆虫ハンドブック 府中市