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第42回太宰治賞贈呈式を行いました

作成・発信部署:スポーツと文化部 芸術文化課

公開日:2026年6月15日 最終更新日:2026年6月16日

画像:受賞者のこがわゆうじろうさん(前列中央)を囲んで記念写真(拡大画像へのリンク)

受賞者のこがわゆうじろうさん(前列中央)を囲んで記念写真

(画像クリックで拡大 55KB)

受賞者はこがわゆうじろうさん

令和8年6月12日(金曜日)、三鷹市と株式会社筑摩書房が共催する第42回太宰治賞の贈呈式を、如水会館 (千代田区)で開催しました。

会場では、出版関係者や報道陣を前に、受賞作「タロー・ジ・エンド」の作者、こがわゆうじろうさんに、株式会社筑摩書房 増田健史代表取締役社長から表彰状を授与し、河村孝三鷹市長から正賞(記念品)と副賞(100万円)を贈呈しました。

選考委員を代表して中島京子さんによる選評のお言葉

選考会は長い時間がかかりました。4作が最終選考に残ったのですが、4作とも本当に読み応えのある作品で、そのうち2作は前にも最終候補に上がってきた作品を書いた方ということで、すごく力のある方々の作品が最終選考まで上がってきたことが、よく分かる選考会でした。

「タロー・ジ・エンド」は一人称の小説です。プロボクサーを目指して青森から出てくる青年の話なのですが、この青年は訛りもないし、住んでいるところが石神井公園で東京といっても郊外。ボクシングジムとバイト先の往復しかしていないという日々が綴られています。でもボクシングにはすごく才能があり、ボクシングジムを経営している方の教則ビデオを青森で一人でただただ見て真似するというのをずっとやっていたらとても強くなりました。そのタローという主人公は、自分自身がなぜ今そういう自分であるのか、ということを説明する言葉を持たない、物語のない青年です。

もう一つの特徴が、ボクシングがとても強いのに反則をしてしまう。何で反則をするのか自分でも分からないし、周りの人にあれはダメだと何度も言われるのに、ついやってしまう。そういう主人公の強い歪みが書かれています。

少し不思議な読み心地が非常に面白いというのは皆さんで一致した意見で、完成度も高い小説なので、これからどんどん活躍してくださると思います。非常に期待しているところです。ぜひ読んでいただきたいと思います。こがわさん本当におめでとうございます。

受賞したこがわゆうじろうさんのご挨拶

こがわゆうじろうと申します。この度は栄えある賞をありがとうございます。

今晩の受賞のスピーチについて、事前にある程度考えていたのですが、よくよく考えたら、私、多分、人生で一度も何かで入選の経験すらないので、そういう意味では、すごい記念になったなと思います。あとは、自分が主役のパーティーというのもほとんどないので、そういう意味でも嬉しいです。

太宰治賞の話になりますと、私は吉村昭さんのファンで、吉村氏の出身の賞ということで、太宰治賞にこだわりました。吉村氏の毎日3枚必ず書くという姿勢に特に影響を受けておりまして、私も基本的に毎日5枚というのを必ず守るようにしています。自作の話になるのですが、文体の中に自分のエゴを出さないというところについても、吉村氏からの影響が非常に大きく、一応後輩になれたということがとても嬉しいです。

あとは、受賞式が決まってからは、どのヘビーメタルバンドのTシャツを着ようかなと、ずっと考えているのがすごく楽しかったです。

本音を言うのも嘘を言うのも得意ではないので、だから小説を書いているというところもあるのですが、三鷹市と筑摩書房、選考委員の皆さん、サークルに誘っていただいた椎名夕さん、僕以外の一緒に太宰治賞を盛り上げてくださった他の投稿者の皆さん、皆さんへの感謝でスピーチを終えたいと思います。ありがとうございます。

『太宰治賞2026』

受賞作及び最終候補3作品と選考委員の選評などを収録した『太宰治賞2026』は、株式会社筑摩書房から6月19日(金曜日)発売予定です。

受賞作「タロー・ジ・エンド」あらすじ

元日本チャンピオンであるカマモトの教則動画を観てボクシングの練習をしていたタローは、プロボクサーになるために青森から上京し、カマモトボクシングジムに入る。しかしタローは反則をくり返し、アイドルグループのBiSHを聴きながら独り生活を続けるだけだった。同郷のよしみ、共有される伝説、憧れられるカリスマといったものにまったく感情移入できない若者の物語。

第42回 太宰治賞 最終候補作品

  • さざわさぎ(さざわ・さぎ) 「掘削」(くっさく)
  • こがわゆうじろう(こがわ・ゆうじろう) 「タロー・ジ・エンド」
  • 北野解(きたの・かい) 「ゴーストフッド」
  • 高山春花(たかやま・はるか) 「プリズム戦士」(ぷりずむせんし)
太宰治賞とは
昭和39年に筑摩書房が創設した小説の公募新人賞で、吉村昭をはじめ、加賀乙彦、金井美恵子、宮尾登美子、宮本輝など多くの著名作家を世に輩出してきました。昭和53年の第14回を最後に中断していましたが、三鷹ゆかりの文人たちの文化の薫りを継承したいと考えていた三鷹市が、三鷹になじみの深い太宰治の没後50年(平成10年)を機に、筑摩書房に呼び掛け、共同主催の形で復活しました。
その後も、芥川賞を受賞した津村記久子さん、今村夏子さん、大江健三郎賞を受賞した岩城けいさんなど、有望な若手作家を輩出しています。
画像:受賞者のこがわゆうじろうさん(拡大画像へのリンク)

受賞者挨拶をするこがわゆうじろうさん

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