井の頭自然文化園
昭和17(1942)年5月、太平洋戦争の開戦から約半年の戦時下に、東京市養育院・井之頭学校(矯正教育のための学校)の跡地に開園した。もともと井の頭公園内には、昭和9(1934)年、現在の分園=井の頭自然文化園 水生物園の場所に「井の頭恩賜公園動物園(中之島小動物園)」があった。これと併せて上野動物園を超える大動植物園が計画されていたが、戦時下のために計画は縮小され、鉄材が供出対象となったため獣舎も井之頭学校の廃材で代用された。
娯楽の少ない時代だったため、開園当初は大盛況となった。園内には産業動物園が開かれ、ブタ、ニワトリ、ウシなどの産業動物が戦時下における有用性を認識させるための展示がなされた。翌年には、逃亡などの危険に備えホッキョクグマ、ツキノワグマ、ラクダなどの猛獣や大型動物が殺処分されたほか、園内のアカマツからは航空燃料の代替用に松やにが採取された。食糧増産のために園内の一部が耕作されるなど、戦争の影響を大きく受け、事実上の休園状態であった。
戦後は、彫刻家・北村西望が園内にアトリエを建設し、長崎の平和祈念像の原型となる石こう像を制作する場所となった。(平和祈念像は昭和30(1955)年に完成)。そして、アトリエを建てる土地を無償で貸与されたことを受けたことと引き換えに、300点以上の彫刻作品が東京都に寄贈され、所蔵・展示されている。
また戦後、アジアゾウの「はな子」が、地元の子どもたちの要望で昭和29(1954)年に上野動物園から来園、平成28(2016)年に69歳で亡くなるまで人気を博した。なお、動物園(本園)のもっとも奥に「園内動物慰霊之碑」と北村西望が揮毫(きごう)した動物慰霊碑がある。
- 所在地
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東京都武蔵野市御殿山1-17-6
- アクセス・注意事項
井の頭自然文化園公式サイト - 東京ズーネット