広報みたか2024年1月1日1面
■文人が生きたまちの記憶を、創造的に継承する
三鷹には、多くの作家が暮らした“文学のまち”としての顔があります。まちは、人々の生活や目に映る景色の記憶を重層的に織り込みながら、時の流れとともに変化し続けます。昨年、太宰治が好んで訪れた三鷹こ線人道橋はJR東日本による解体工事が始まり、市はその一部を保存することを決めました。そして今年、長年にわたり井の頭で執筆活動を続けた吉村昭の自宅離れにあった書斎を移築し、文化施設として一般公開します。三鷹市は、文人たちが愛したこのまちの風景と文化を、市民の皆さんと共に守り、創造的に未来へと受け継いでいきます。
●太宰治文学サロン
太宰が通った伊勢元酒店の跡地に、太宰治研究者・山内祥史氏から市に寄託された蔵書の一部などを開架しています。
[所]下連雀3-16-14グランジャルダン三鷹1階
[日]午前10時〜午後5時30分(月曜日、年末年始休館)
●太宰治展示室 三鷹の此の小さい家
三鷹市美術ギャラリーの一室に太宰の自宅の一部を再現し、貴重な資料を展示しています(4月12日(金)まで休室中)。
[所]下連雀3-35-1三鷹コラル5階
[日]午前10時〜午後6時(月曜日、年末年始休館)
■市長コラム「文学のまち、三鷹」
三鷹市長 河村 孝
新年おめでとうございます。皆さんにとって、この一年が喜びの多い年になりますことをお祈り申し上げます。
三鷹は、武者小路実篤さんや山本有三さん、太宰治さん、吉村昭さんなど、昔からたくさんの文学者が暮らし、優れた作品を生み出してきたまちです。現在も、市内には多くの作家さんがお住まいです。三鷹に文学者が集まる正確な理由は分かりませんが、都会と田舎の両方の魅力を良い意味で併せ持っていることは一つの理由になるかもしれません。太宰さんの場合は「都心との適度な距離感を大切にしていた」と、今号の4・5面に掲載されている新春対談で安藤先生が述べられていました。
太宰さんが亡くなってから75年以上がたちますが、今でも多くのファンが太宰さんを慕って三鷹を訪れています。それが、「文学のまち」としての三鷹の魅力を、より色濃くしているように感じます。地層のように積み重なった「文学のまち」の歴史を、これからも私たちは大事にしていきたいと思います。
さて、今年はどんな一年になるでしょうか。好きな作家さんが書いた本を落ち着いて読むことができる、そんな年にしたいですね。
新春対談 4・5面
太宰文学研究の第一人者である安藤宏さんと河村孝市長が語り合います。
市外局番「0422」は省略。 【主】主催者 【日】日時・期間 【人】対象・定員 【所】場所・会場 【講】講師 【¥】費用 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保育】保育あり 【手話】手話・要約筆記あり