緑と水の公園都市 三鷹市
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広報みたか2023年5月21日8面

■第39回太宰治賞が西村亨さんの『自分以外全員他人』に決まりました

 三鷹市と(株)筑摩書房との共同主催で復活後25回目となる「太宰治賞」の最終選考委員会が5月11日に開催され、選考委員の荒川洋治さん、奥泉光さん、中島京子さん、津村記久子さんにより、1246編の応募作品の中から、第39回太宰治賞が西村 亨(にしむら・りょう)さんの『自分以外全員他人』に決まりました。

受賞作『自分以外全員他人』のあらすじ
 あと1年半、あと1年半待てば俺は自殺できる――。マッサージ業界でフリーランスとして働く柳田譲。不安定な日々を過ごし、生きる支えも希望もなく、45歳が限界だと思っていた男は自らに死亡保険をかけ、自殺でも保険金が下りるようになる日を待っていた。人とうまく関係を築くことができず、母とも母の再婚相手とも分かり合うことはないまま家を出て、職場の同僚や客ともおおよそ心地の良い会話はできない。鬱で退職した元同僚の真似をして始めたサイクリングだけが唯一の心のよりどころだったが、逆走する自転車や幅寄せしてくる車を見かけるたびに腹を立て、気が狂いそうになるのを必死で抑える日々。極めつけは入居しているマンションの駐輪場での置き場所トラブル。自分の魂そのものになった自転車を屋根付きの駐輪場に止めたい、それだけだったのに、自分はなにも悪いことをしていないはずなのに。日常が怒りに染まっていく中年の破滅の物語。

選考委員の評
荒川洋治さん▼みんなが神経を尖らせているこの時代の中で生きるしかない個人の切実さがよく表現されており、かなり共感を呼ぶと思う。
奥泉光さん▼ここ数年の選考の中では、最終候補4作いずれも力量を感じた。今回受賞しなかった作者も今後に期待できると思う。
中島京子さん▼マスク、ワクチンといったコロナ禍の感覚の描写が巧みだった。主人公の感覚は過激とも取れるが、私たちの感覚の延長線上にある怒りや苛立ちが膨らんでいく感じがよく描けていた。
津村記久子さん▼身につまされる内容。生活の苛立ちの細部を描けており、多くの人が共感し、救われるのではないかと感じた。

受賞者の西村亨さん
 受賞した西村亨さんは、鹿児島県出身の46歳。受賞の知らせを受け、「人間失格に救われた18歳のあの日から、むしろ出会わなければもっと楽に生きれたのかなと悔やんだこともありましたが、最後の最後にまた救われました」と喜びを語りました。

第39回太宰治賞最終候補作品
・北野解『コスメティック・エディション』
・西井貴恒『魚の名前は0120』
・村雲菜月 『肖像のすみか』
・西村亨 『自分以外全員他人』
 受賞作および最終候補作のすべてと選考委員の選評などを収録した『太宰治賞2023』は、筑摩書房から6月下旬発売予定です。

太宰治賞とは
 昭和39年に筑摩書房が創設した小説の公募新人賞で、吉村昭をはじめ、加賀乙彦、金井美恵子、宮尾登美子、宮本輝など多くの著名作家を世に輩出してきました。昭和53年の第14回を最後に中断していましたが、三鷹ゆかりの文人たちの文化の薫りを継承したいと考えていた三鷹市が、三鷹になじみの深い太宰治の没後50年(平成10年)を機に、筑摩書房に呼び掛け、共同主催の形で復活しました。
 その後も、芥川賞を受賞した津村記久子さん、今村夏子さん、大江健三郎賞を受賞した岩城けいさんなど、有望な若手作家を輩出しています。

[問]芸術文化課TEL0422-29-9861

※写真はPDFをご覧ください。


■民生・児童委員へお気軽にご相談ください

[問]地域福祉課TEL0422-29-9231

 身近な地域の相談相手として、市内では110人の委員が活動しています。お住まいの地区の委員を知りたい場合は、同課へお問い合わせください。

民生・児童委員とは?
 厚生労働大臣から委嘱を受けて活動する福祉ボランティアです。地域の皆さんの相談に応じ、見守りや関係機関への橋渡しを行います。地域住民から選ばれ、任期は3年(再任も可能)です。

どんな相談ができるの?
 1人暮らしの高齢者や子育てに悩みを抱える家庭など、手助けが必要な方の相談に応じます。また、「近所に心配な人がいる」など、気になることがあればお知らせください。様子を確認し、状況に応じて関係機関につなぎます。委員には守秘義務があり、相談内容や個人情報は固く守られます。
※一部、対応できない相談もあります。

どんな活動をしているの?
乳児家庭全戸訪問(こんにちは赤ちゃん)事業
 おおむね生後4カ月までの乳児がいる家庭を訪問し、育児の不安や悩みを伺って、役立つ情報を提供するほか、絵本などをお届けします。
地域ケアネットワーク
 サロン事業や困り事の相談、見守りの仕組みづくりなどに協力しています。
ほのぼのネット
 地域ボランティアのネットワークである「ほのぼのネット」の会員としても活動し、地域や学校などの行事に参加することもあります。

活動紹介パネル展
[日]5月30日(火)までの午前8時30分〜午後5時(30日は3時まで)
[所]市役所1階市民ホール [申]期間中会場へ

※画像はPDFをご覧ください。


■花のまち交流会

[問]NPO法人花と緑のまち三鷹創造協会TEL0422-46-2081

 今秋開催予定のガーデニングフェスタのプレイベントです。今回は、「快適な生活環境の創出」をテーマに、東京農業大学客員教授の濱野周泰さん(写真)による講演会を開催します。

[主]市、三鷹市市民緑化推進委員会
[日]6月10日(土)午後1時30分〜4時
[人][所]三鷹市公会堂さんさん館=100人、録画視聴=定員なし
[申]5月31日(水)(必着)までに往復はがきで必要事項(7面参照)・参加方法を「〒181-0012上連雀8-3-10NPO法人花と緑のまち三鷹創造協会」、または同協会ホームページ[HP]https://hanakyokai.or.jp/へ(申込多数の場合は抽選)

※写真はPDFをご覧ください。


※詳細はPDFをご覧ください。


市外局番「0422」は省略。 【主】主催者 【日】日時・期間 【人】対象・定員 【所】場所・会場 【講】講師 【¥】費用 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保育】保育あり 【手話】手話・要約筆記あり

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