広報みたか2019年9月1日1面
■太宰治生誕110年 特別展を開催
今なお衰えない人気を誇る作家・太宰治は、昭和14（1939）年から家族と下連雀に暮らし、疎開期間を除く7年半、38歳で亡くなるまでを三鷹で過ごしました。その間、『走れメロス』や『斜陽』『人間失格』などの名作を世に送り出すとともに、三鷹での生活を織り込んだ私小説的な作品も多数残しています。
太宰治生誕110年に当たる今年、市では特別展と記念講演会を開催します。この機会に魅力あふれる太宰の作品世界と、「太宰が生きたまち・三鷹」の豊かな文化に触れてみませんか。
［問］芸術文化課TEL内線2911
■特別展「辻音楽師の美学」
［問］山本有三記念館TEL42-6233
［主］市、（公財）三鷹市スポーツと文化財団
［日］9月21日（土）〜10月20日（日）午前10時〜午後8時（入館は7時30分まで）
※9月24日（火）・25日（水）・30日（月）、10月7日（月）・15日（火）・16日（水）は休館。
［所］三鷹市美術ギャラリー ［￥］500円 ［申］期間中会場へ
小暗い露路で、一生懸命ヴァイオリンを奏している、かの見るかげもない老爺（ろうや）の音楽師を、諸君は、笑うことができるであろうか。私は、自身を、それに近いと思っている。社会的には、もう最初から私は敗残しているのである。けれども、芸術。それを言うのも亦（また）、実に、てれくさくて、かなわぬのだが、私は痴（こけ）の一念で、そいつを究明しようと思う。
（『鴎』昭和15〈1940〉年より）
作中で自らを、街頭で音楽を奏でる楽師になぞらえた太宰治。本展では、太宰研究の第一人者である山内祥史の収集資料をはじめ、同時代の文豪たちとの関係性を示す書簡や、写真家・田村茂が残した肖像写真などの貴重な資料を展示し、太宰治の信念と生きざまから、今なお多くの人を魅了する、その美学に迫ります。
■「太宰史に刻まれた文豪との日々―佐藤春夫・川端康成・志賀直哉」
三鷹ネットワーク大学共催太宰治生誕110年特別展関連記念講演会
［問］山本有三記念館TEL42-6233
［日］10月5日（土）午後2時〜3時30分 ［人］100人
［所］三鷹ネットワーク大学 ［講］東京大学教授で特別展監修の安藤宏さん
［物］特別展（左記）の観覧券または観覧済み半券
※講演会の受付でも、観覧券を購入できます。
［申］9月26日（木）（必着）までに往復はがきで必要事項（11面参照）を「〒181-0013下連雀2-12-27山本有三記念館」へ（応募は1枚につき1人。複数枚の申込は不可。申込多数の場合は抽選）
■太宰治文学サロンで太宰と三鷹のゆかりを感じる
作家として、家庭人として、三鷹に生きた太宰治の素顔に触れる
ガイドも常駐しています
［所］［問］同サロン（下連雀3-16-14グランジャルダン三鷹1階）TEL26-9150
太宰が通った酒店の跡地に開設した同サロンでは、直筆の原稿や愛用の火鉢など貴重な資料を展示しています。毎月開催している太宰作品の朗読会（7面参照）も好評です。
◆開館時間 午前10時〜午後5時30分（入館無料）
◆休館日 月曜日、年末年始
■太宰が描いた三鷹の風景を探す
太宰は戦争で疎開するまで自宅を仕事場としていましたが、戦後は3人の子どもがいる自宅とは別に、三鷹駅付近に仕事部屋を借りていました。作中には自宅や仕事場周辺の様子がしばしば登場しています。
（雑誌社の人が）私の家は三鷹の奧の、ずっと奧の、畑の中に在るのであるが、ほとんど一日がかりで私の陋屋（ろうおく）を捜しまわり、やあ、ずいぶん遠いのですね、と汗を拭きながら訪ねて来る。
（『鴎』昭和15〈1940〉年より）
■市立図書館各館に「太宰コーナー」を設置しています
［問］三鷹図書館（本館）TEL43-9151
特別展（上記）期間中、「太宰コーナー」を設置しています。この機会に太宰作品を読み、三鷹のまちに息づく文学の薫りを発見しましょう。
■ガイドツアーで太宰の足跡をたどる
予約不要無料です！
月に1回開催される「太宰治の足跡案内」定例ガイドツアーでは、住まいの跡やなじみの店など、太宰が三鷹に残した足跡をたどるまち歩きを実施しています。コースは約2時間40分で、三鷹駅周辺に点在する太宰ゆかりの19カ所をご案内します。
［主］みたか観光ガイド協会
［日］［所］3〜11月の第4日曜日午前9時50分三鷹駅南口デッキ上集合（雨天決行）
※9月は22日（日）に開催します。
［申］当日会場へ
［問］同協会（小谷野）TEL44-0981・［HP］https://mitakaguide.p-kit.com/
●ガイドボランティアからひと言●
みたか観光ガイド協会代表 小谷野芳文（こやの・よしふみ）さん
ガイドツアーを通じて、三鷹の魅力を伝えたいと思っています。新緑の季節の玉川上水沿いは本当に気持ちがいいですよ。太宰をよく知らない方でも、まち歩きとして楽しめるコースです。ガイドお勧めの太宰作品なども紹介しながら、「太宰が生きたまち・三鷹」をご案内します。
市外局番「0422」は省略。 【主】主催者 【日】日時・期間 【人】対象・定員 【所】場所・会場 【講】講師 【￥】費用 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保育】保育あり 【手話】手話・要約筆記あり
