広報みたか2015年5月17日12面
■第31回太宰治賞が伊藤朱里(いとう・あかり)さん「変わらざる喜び」に決まりました
三鷹市と筑摩書房の共同主催で復活後17回目となる「太宰治賞」の最終選考委員会が、5月7日みたか井心亭で開催され、選考委員の加藤典洋さん、荒川洋治さん、小川洋子さんにより、1251編の応募作品の中から、第31回太宰治賞が伊藤朱里(いとう・あかり)さん(筆名)の「変わらざる喜び」に決まりました。
受賞作「変わらざる喜び」
受賞作「変わらざる喜び」の主人公は、幼少期のトラウマや性的マイノリティーを抱えた女性。自暴自棄となった主人公が、親友の叱咤により自分を見つめ直していく、人間の内面からの回復の過程が描かれています。
選考委員の加藤典洋さんは「緻密で丁寧に書かれた力のある作品である。若い女性が語り手となり、幼少期のトラウマや性的マイノリティーなどを抱えた人の痛みや生き方など、一度壊れた人間の内側からの回復が描かれている。現代社会の背景を踏まえ、錯そうする人間関係に踏み込んだ内容で、社会の中での自由への問い掛け、切実さや迫力を十分に受け取ることができる」と評しました。
また、荒川洋治さんは「マイノリティーの人たちの感受性や人間関係の作り方など、常識では考えられない意表を突くような内容で、個人の生き方にいろんな刺激を与えてくれる新しい作品。他の候補作『あたらしい奴隷』も伸びる力があると評価があったが、最終的に完成度の高いこちらの作品が選ばれた」と選評を述べました。
さらに、小川洋子さんは「生易しい小説ではなく、読み手をたじろがせるような深いテーマを持った小説。深く傷ついた人を主人公に語るのは難しいことだが、親友を登場させることで主人公の存在感が伝わるような書き方は見事である」と評しました。
受賞した伊藤朱里さんは、静岡県出身・東京都在住の29歳の女性です。受賞の知らせを受け、「責任が重大と思う反面、嬉しく思います。自分の言葉を必要としている人に小説を届けたいです」と喜びを語りました。
第31回太宰治賞贈呈式は、6月17日午後6時から銀行倶楽部(千代田区)で行われ、正賞の記念品と副賞100万円が贈られます。なお、受賞作および最終候補作のすべてと選考委員の選評などを収録した「太宰治賞2015」は、筑摩書房から発売予定です(発売日未定)。
◇第31回太宰治賞 最終候補作品
佐佐木 陸 「あたらしい奴隷」
稲葉 祥子 「装飾棺桶」
伊藤 朱里 「変わらざる喜び」
高萩 匡智 「川向こうの式典」
◇太宰治賞とは
昭和39年に筑摩書房が創設した小説の公募新人賞で、吉村昭をはじめ、加賀乙彦、金井美恵子、宮尾登美子、宮本輝ら多くの著名作家を世に送り出しました。昭和53年の第14回を最後に中断していましたが、三鷹ゆかりの文人たちの文化の薫りを継承したいと考えていた三鷹市が、三鷹になじみの深い太宰治の没後50年(平成10年)を機に、筑摩書房に呼び掛け、共同主催の形で復活しました。
平成25年度の第29回太宰治賞「さようなら、オレンジ」の岩城けいさん(受賞時はKSイワキさん)は、第8回大江健三郎賞を受賞したほか、同年の芥川賞に最終候補としてノミネートされ、本屋大賞2014では第4位となりました。
[問]コミュニティ文化課TEL内線2516
■第31回太宰治賞贈呈式にご招待
[日]6月17日(水)午後6時〜8時
[人]市民5人
[所]銀行倶楽部(千代田区丸の内1-3-1)
[申]5月25日(月)(必着)までに往復はがきで必要事項(11面参照)・同賞や関連イベントへの感想を「〒181-8555コミュニティ文化課」へ(申込多数の場合は抽選)
※結果は6月3日(水)までに通知します。
[問]同課TEL内線2516
■三鷹の森ジブリ美術館 夏休みシーズンの入場チケットのご案内
■7・8月分入場チケット先行抽選販売
今年の夏休みシーズンの7・8月分に限り、入場チケット(日時指定)を、毎月10日の一般販売に先行して抽選販売します。
◆7月分先行抽選販
受付期間=5月25日(月)正午〜31日(日)午後11時59分
当落発表=インターネット申し込みは6月9日(火)午後3時から電子メールにて通知、電話申し込みは6月9日(火)午後3時〜12日(金)午後11時59分に電話にて確認
発券期間=6月9日(火)午後3時〜13日(土)午後11時
◆8月分先行抽選販売
受付期間=6月25日(木)正午〜30日(火)午後11時59分
当落発表=インターネット申し込みは7月9日(木)午後3時から電子メールにて通知、電話申し込みは7月9日(木)午後3時〜12日(日)午後11時59分に電話にて確認
発券期間=7月9日(木)午後3時〜13日(月)午後11時
◆申し込み方法
[¥]大人・大学生1,000円、中・高校生 700円、小学生 400円、幼児(4歳以上)100円(いずれも税込)
[申]ローソンチケットTEL0570-084-637・[HP]http://l-tike.com/ghibli/(ローソンWEB会員〈無料〉登録が必要)へ(1回の申込につき6枚まで、同一日時での複数エントリー不可)
◇一般販売 7月分=6月10日(水)、8月分=7月10日(金)から、いずれも午前10時から従来通りの方法で発売(店頭での直接購入、インターネット・電話で予約のうえ、店舗にて発券・購入〈チケット代金は先行抽選販売と同じ〉)
[問]ローソンチケットインフォメーションTEL0570-000-777(午前10時〜午後8時)
■三鷹市・近隣市民枠チケット(7〜9月分)
[日]6月1日(月)から
[人]三鷹市・武蔵野市・小金井市・西東京市に住民登録をしている方、各市内に在学・在勤の方(1人6枚まで)
[¥]大人・大学生1,000円、中・高校生700円、小学生400円、幼児(4歳以上)100円、3歳以下は無料
[申]免許証、保険証、在留カードまたは特別永住者証明書、学生証、社員証など在住・在学・在勤を示すものを本人が持参してみたか観光案内所(下連雀3-24-3-101)へ
※発券後の変更やキャンセルはできません。
※枚数に限りがありますのでお早めに購入ください。
[問]NPO法人みたか都市観光協会TEL40-5525・[HP]http://kanko.mitaka.ne.jp/
■津島家寄託 太宰治資料展
三鷹時代の太宰治がいま、ここに
6月13日(土)〜28日(日)午前10時〜午後6時(15・22日の月曜日を除く)
本展示会では、昨年津島家より三鷹市に寄託された太宰治資料を公開します。通常の文学展でイメージされるものとその特徴は異なり、書や絵画作品をはじめ生活関連書類など、作品研究だけでは知る由のない太宰の知られざる側面を感じるものばかりです。
自らを「一箇の原稿生活者」とした太宰のライフスタイルはいかなるものだったのか。
太宰の生誕日であり桜桃忌が営まれる6月。長い年月を経て里帰りした津島家愛蔵の資料を、「太宰が生きたまち・三鷹」でぜひご堪能ください。
[主]市、(公財)三鷹市芸術文化振興財団
協力:津島園子、津島里子、林忠彦作品研究室、(公財)日本近代文学館
[所]三鷹市美術ギャラリー
[申]期間中会場へ
[問]山本有三記念館TEL42-6233
■第8回味の素スタジアム感謝デー
6月7日(日)午前10時〜午後4時
フリーマーケット、すてきな賞品がもらえるスタンプラリー、ステージでのショーなどをお楽しみください。
[所]味の素スタジアム
[申]当日会場へ
[問]同イベント事務局TEL03-5771-2368(平日午前10時〜午後6時)
【主】主催者 【人】対象・定員 【日】日時・期間 【所】場所・会場 【¥】費用(記載のないものは無料) 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保育】保育あり