広報みたか2015年2月15日1面
■戦後70周年を迎える今年―三鷹で願う これまでの平和とこれからの平和
第二次世界大戦末期、日本各地を襲った空襲により多くの命が奪われました。中でも昭和20(1945)年3月10日未明の東京大空襲では、約10万人もの方が犠牲となりました。今日の平和が尊い犠牲の上に築き上げられていることを忘れないよう、東京都は3月10日を「東京都平和の日」と定めています。市では、3月に平和をテーマとした資料展とフィールドワークを開催します。この機会に歴史を振り返り、「これからの平和」のため、今何をすべきかを考えてみませんか。
※上記の写真は戦時中の市内の様子です。
[問]企画経営課TEL内線2115
■戦争体験談 東京大空襲を目撃して
300機余りの米軍機が東京下町を超低空で爆撃するさまが今でも脳裏に焼き付いています。満洲への出兵のために柏から品川まで徒歩で移動中に、東京大空襲直後の下町の惨状を目の当たりにしました。一面焼け野原で木造住宅は壊滅し、建物の残骸から硝煙が立ち上っている様子は、戦争がいかに残酷かを物語っていました。戦時中は、私を含めて皆が戦争は正しいと信じ、戦っていました。しかし、戦争に正義などありません。戦後70年間日本人は懸命に働き、平和を築き上げてきました。特に若い人には、周囲に流されず、自分の頭で考えることの大切さを伝えていきたいと思います。
長谷緑也(ながたに・ろくや)さん(89歳)
井の頭在住。昭和19(1944)年、19歳の時に召集令状を受け、千葉県柏市の部隊に入隊。昭和20(1945)年3月出兵。同年3月10日、東京大空襲を柏の駐屯地から目撃。
※長谷さんは、市が取り組んでいる戦争体験談をアーカイブ化する映像記録・保存事業にご協力いただいている方です。今後動画インタビューの様子を市ホームページで公開予定です。
■当時を感じ、想像する 東京空襲資料展
空襲で焼け溶けた日用品や、市内で発掘された爆弾破片など、空襲の惨状を物語る品々と空襲後の様子などを写したパネルを展示します。当時の日本無線三鷹寮入居者が描いた東京大空襲のスケッチ(東京都所蔵)など、被災者が残した品も展示します。
[日]3月4日(水)〜11日(水)(土・日曜日を除く)午前8時30分〜午後5時15分
[所]市役所1階市民ホール
[申]期間中会場へ
軍用鉄帽
旧日本陸軍九〇式鉄帽。陸軍の星章(五光星)が前面についた鉄製のヘルメットで、厚み約1mm、重量は約1kg。(市民からの寄贈品)
弾薬箱
調布飛行場の戦闘機に装備された旧日本陸軍八九式固定機関銃の弾薬箱。
(市民からの寄贈品)
平和の明かりをともし続けよう
戦争関連の絵本や児童書を自由に読める特設コーナーを併設
終戦から70年を迎え、戦争を知らない世代が増えています。平和であることが当たり前になりつつある今、戦争の悲惨さと平和の尊さを絵本を通して子どもたちに伝え、平和を次の世代に引き継ぐにはどうすれば良いかを親子で考えてみませんか。
■三鷹市内の戦跡を訪ねるフィールドワーク講座
戦時中、三鷹を含む武蔵野地域は中島飛行機三鷹研究所や日本無線などの軍需工場や、従業員のための営団住宅を有し、「飛行機工場の町」と呼ばれる「一大軍需地帯」でした。そしてその痕跡は、現在も残されています。この講座では市内や近隣の戦争遺跡を訪ね、平和について学びます。
[日]3月1日(日)午後1時30分〜4時30分
[人]中学生以上の方25人
[所]調布飛行場ターミナルビル内会議室集合
コース:調布飛行場(門柱)→武蔵野の森公園内に残る掩体壕(えんたいごう、写真)→野川公園自然観察園→国際基督教大学(予定)、現地解散、全行程約7km(徒歩)
[講]「武蔵野の空襲と戦争遺跡を記録する会」副代表で法政大学中学高等学校教諭の牛田守彦(うしだ・もりひこ)さん
[申][問]2月19日(木)正午までに電話またはファクスで必要事項(11面参照)を企画経営課TEL内線2115・FAX45-1271へ(申込多数の場合は市民を優先して抽選)
■黙とうにご協力を
戦災で亡くなった方々の追悼と世界の恒久平和を祈り、3月10日(火)午後1時から市の防災無線のチャイムを合図に、1分間の黙とうを行います。みなさんのご協力をお願いします。
■市長コラム「地域から平和を希求し着実な歩みを」
三鷹市長 清原慶子
3月10日は、70年前の昭和20(1945)年に東京大空襲があった日です。そして3月11日は、今から4年前の平成23(2011)年に東日本大震災が発生した日です。こうした3月を迎えようとしている今、私たちは改めて人の命の大切さと平和について考えたいと思います。
市内には、東京大空襲をはじめ戦争によってご家族を失った方がいらっしゃいます。東日本大震災では三鷹市内の被害は深刻ではありませんでしたが、被災地の復興には引き続き時間がかかるようであり、私たちの関心と支援を継続することが大切です。
三鷹市議会では、昭和35(1960)年3月に『世界連邦都市宣言』が、昭和57(1982)年3月には『三鷹市非核都市宣言』が議決されました。そして、平成4(1992)年には『三鷹市における平和施策の推進に関する条例』が議決されています。
これらの宣言や条例は、70年前に終戦を迎えた日本にあって、三鷹市民が何よりも世界と地域の平和を希求し、貧困や環境の問題を克服するとともに、私たち一人ひとりの命や基本的人権を尊重する取り組みを、この三鷹市から深め、進めて行くことを定めています。
世界ではなお、戦争や紛争やテロが発生しています。私たちはそうした動きに目をそらさず、三鷹市から平和のまちづくりを進めていきましょう。
市では、戦後60年を迎えた平成17(2005)年には、ビデオ『そして60年―三鷹のまちは戦場だった』を作成し、市民の皆様の戦争に関する証言集『今語り伝えたいこと』を復刻しました。
最近では、遺族会の皆様、原爆被害者の会の皆様をはじめとする市民の皆様の貴重な戦争体験談を映像で記録・保存し、ホームページで公開する「アーカイブ化事業」を進めています。
3月1日には市内の戦跡をたどるフィールドワーク講座を予定しており、3月4日〜11日には、東京空襲資料展を開催します。
戦後70年、改めて平和を希求し、着実な平和のまちづくりを進めていきましょう。
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