太宰プロジェクト紹介

三鷹ネットワーク大学 "太宰を読む百夜百冊"

太宰治の没後60年、生誕100年を記念して行う企画講座です。
大学教授をはじめ多様な世界で活躍中の各回の講師が、それぞれ自身の思いを重ねて太宰治の作品を語ります。

11月16日の第十七夜では、「『トカトントン』の究極の空しさは時空を超える」と題して、テレビ「王様のブランチ」や路上観察学会の活動でおなじみの松田哲夫さん(編集者/株式会社筑摩書房顧問)がお話をされました。

講座の紹介文より

太宰治は死後六十年経っても、若い読者を中心に愛読されている。今の時代、長引く不況下で格差が広がり、安定した仕事、心安らぐ場所が見出せない若者は増えている。彼らが、醒めた眼差しで深い虚無を見つめている太宰作品に共感を覚えるのは理解できる。
一方、太宰文学は日本にとどまらず、海外でも広く読まれている。欧米だけでなく、発展途上国でも読まれていて、これまでに二十カ国以上で翻訳出版された。海外の読者は、太宰が日本人作家であるということを忘れ、自分のことが描かれているように感じて読むという。どんな国にも、深い喪失感にとらわれ、生きることを真摯に問い直そうとする若者がいるのだろう。
戦後復興の時代、人々の多くが明るい未来を夢見ていたときに、太宰は「トカトントン」を描いて究極の空しさを表現した。
この深い絶望の吐露は、時代や世代を超えて、強い影響力を与え続けている。その秘密に迫れたらと思っている。

松田さんの写真
第十七夜で講師をつとめた松田哲夫さん

講座風景の写真
さまざまな年代の受講生が集まります

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