みたかの教育2023年9月17日1面
■地域とともにある学校づくり
三鷹市の各学園・学校では、「地域とともに育てる」を合言葉に、保護者や地域の皆さまにご協力をいただきながら、さまざまな教育活動に取り組んでいます。今回は、その取り組みの一部をご紹介します。
→教育政策推進室TEL29-8349
学習支援ボランティア
子どもたちにとってより充実した学びの場となるよう、日々の授業をはじめ、幅広く学校生活のサポートをしています。算数などの授業や、朝の読み聞かせ、身体測定・体力測定、校外学習の引率の補助などを行っています。事前登録の説明会やボランティア同士の交流会などを開催している学園・学校もあります。
地域と連携した授業
地域の方を外部講師として招くなど、地域と連携した授業を実施しています。特に、令和4年度からおおさわ学園を教育研究協力校として指定し、地域の力を子どもたちの学びに活かす研究を進めています。教員が国立天文台や大沢の里古民家などの地域の施設を見学し、地域への理解を深めるとともに、地域の人財が参画した授業づくりに取り組んでいます。
みたか地域未来塾
子どもたちの学習習慣の定着と基礎学力の向上を図るため、大学生や地域の方が学習支援員として学校と連携しながら放課後の学習支援を行っています。子どもたちは、学習支援員のアドバイスを受けながら、習熟に応じた学習プリントや学校の宿題などに取り組んでおり、学校ごとに工夫しながら、放課後の学びの充実を図っています。
スクール・コミュニティ推進員が活躍しています
こうした取り組みを支えているのが「スクール・コミュニティ推進員」です。学校と地域をつなぐコーディネーター役として、平成30年度から各学園に順次配置し、令和3年度からは全ての学園に配置しています。スクール・コミュニティ推進員が中心となって、教員と保護者や地域の皆さまとの調整を行っています。
子どもたちの学びの充実に向けて頑張っています。
引き続き皆さまのご協力をよろしくお願いします。
「コミュニティ・スクール」「スクール・コミュニティ」といったキーワードについて解説したリーフレットを作成しています。ぜひご覧ください。
■教育委員会の活動について
教育委員会では、毎月、定例会を開催し、基本方針の決定や規則の制定改廃などの議案について審議を行っています。また、学校訪問を実施し、学校経営・授業などに対し指導・助言を行うほか、保護者との懇談会や学校の研究発表会、都内教育委員会相互の連絡会に出席するなど、学校の状況や教育行政をめぐる諸課題の把握に努めています。
教育委員会の会議の開催予定や会議録は、市ホームページに掲載しています。
令和5年4月〜8月の主な審議案件と活動
4月
○令和5年度事業計画の承認
○三鷹市教育委員会事務局処務規則の一部改正
○教育長の文部科学省初等中等教育局視学委員の兼職
○三鷹市いじめ問題対策協議会委員の委嘱又は任命
●教育施策連絡協議会
●東京都市町村教育委員会連合会理事会
5月
○教育長の特定非営利活動法人三鷹ネットワーク大学推進機構理事の兼職
●東京都市町村教育委員会連合会定期総会
6月
○三鷹市教育委員会職員の勤務時間、休日、休暇等に関する規程の一部改正
○三鷹市いじめ問題対策協議会委員の委嘱
○三鷹市立図書館協議会委員の任命
○三鷹市社会教育委員の委嘱
●学校訪問(北野小学校)
7月
○令和5年度教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価(令和4年度分)
○三鷹市社会教育委員の委嘱
●教科用図書の採択に係る懇談会
8月
○令和6年度使用小・中学校教科用図書及び小・中学校教育支援学級用教科用図書の採択
○令和5年度一般会計補正予算見積書
●東京都市町村教育委員会連合会理事会・理事研修会
※○は会議の案件、●は会議以外の活動
→総務課TEL29-9811
■教育委員コラム「『不登校』について」
教育委員会 委員
松原 拓郎(まつばら たくろう)
このコラムが掲載される号では、「長期欠席・不登校状況にある児童・生徒への支援の在り方に関する研究会」の紹介記事が掲載されています(裏面)。
実は、私の子どもは、三鷹ではありませんが、中学生時代に「不登校」を経験しました。最初は起立性調節障害により約1年間、登校ができなくなりました。体調が回復したあとは学校のあり方に疑問を感じ、今度は自ら「不登校」となりました。
子どもが最初に体調を崩して学校に行けなくなったときの不安感は忘れられません。いつ回復するのか、そもそも回復するのかもわからないまま、特に最初は病名もわからない状態で、これからどうなるのだろう、という思いでした。その後幸いにして子どもの体調は回復しましたが、前述の通り、今度は自ら「不登校」となりました。このときも、親としては子どもの選択を尊重しつつも、子どもの将来への不安がなかったかと言われれば、それは嘘になります。
保護者の立場でこの経験をしたことで、私はこれまで見ていなかった世界を見ることになりました。約2年間自分が身を置いたその世界で、それまでは見えなかった、同じく「不登校」の、他の子ども・保護者の姿も見ることができました。
学校に求めることが人によりさまざまであることと同じく、「不登校」と言ってもその姿はさまざまで、一律に論じることはできません。しかし一つ感じたこととして、多くの子どもや保護者は、「不登校」でも、学校やそこにいる先生には、自分たちと「向き合う」ことを求めていたように思います。そして「向き合う」ことは、今現に学校に通っている子どもや保護者にとっても大事な、教育活動の基本だと思います。
「不登校」への取り組みは、学校のあり方、子どもや保護者との関わり方、また、特にうまく自分を表現できない人や弱い立場に置かれ声をあげられない人への関わり方、そしてより広く言えば「人生のあり方」への問いかけを含んでいるのでしょう。