みたかの教育2018年4月15日1面
■平成30年度教育委員会基本方針
2月に開催された教育委員会定例会で、平成30年度基本方針を決定しました。
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主要な施策・予算の概要は2面で紹介します
教育委員会の行政の基本目標
「いきいきと子どもが輝く教育・子育て支援のまちづくり」
「創造性と豊かさをひろげる生涯学習・文化のまちづくり」
教育委員会は、「三鷹市教育ビジョン2022(第1次改定)」に基づき、「人間力」と「社会力」を兼ね備えた子どもの育成を目指し学校教育を推進します。国の法改正を生かし、法制度上位置付けられた「小・中一貫教育校」や「コミュニティ・スクール委員会」として、より一体感のある学園経営と持続可能なシステムの構築を図ります。
「三鷹市生涯学習プラン2022(第1次改定)」に基づき、ライフスタイルにあった方法により学ぶことができる生涯学習社会の構築に向けて、市長部局との密接な連携により、市民の「学びと活動の循環」を推進します。
●「人間力」
基礎的な素養を身に付け、自立した一人の人間として考え判断し、豊かに力強く生きていくための総合的な力
●「社会力」
社会とのかかわりをもち、社会の一員としての役割を果たしつつ、適切な人間関係を結び、生きていく力
「三鷹市教育ビジョン2022(第1次改定)」及び「三鷹市生涯学習プラン2022(第1次改定)」に基づき、次に掲げる7つの施策目標を柱に、具体的な施策の推進に取り組みます。
1 地域とともに、協働する教育を進めます
コミュニティ・スクールを充実・発展させ、地域とともに子どもたちを育てる学校をつくります。
2 小・中一貫した質の高い学校教育を推進します
三鷹型の小・中一貫教育を充実・発展させ、連続性と系統性のある学習を保障し、子どもたちの義務教育9年間の学びと15歳の姿に責任をもった教育を実現します。
3 学校の経営力と教員の力量を高め、特色ある学園・学校づくりを進めます
学園・学校経営を円滑かつ効果的に推進できるよう、改善・充実を図り、教員のキャリア支援等を通して、三鷹にふさわしい教員を養成・育成し、子どもたちの学びをより一層豊かにしていきます。
4 安全で快適な、充実した教育環境を整えます
子どもたちが安全・安心な気持ちで快適に過ごせ、効果的な学習ができる教育環境を整備します。
5 地域をつなぐ拠点となる学校をつくります
子どもたちのために、既存の地域社会の全ての力を結集し、それぞれの強みを生かした協働を進め、地域をつなぐ、学校を核としたコミュニティを創造します。
6 市長部局との連携により、生涯学習の総合的な推進を図ります
生涯学習社会の構築に向けて、市長部局との連携により、生涯学習を支援する環境の整備と施策の充実を図り、市民の「学びと活動の循環」を推進します。
7 地域の情報拠点としての図書館活動を推進します
多様な利用者の生涯学習活動を支える地域の情報拠点として、図書館機能の充実と改善を図ります。
目指す子ども像
●自分を愛し、他人を愛し、三鷹を愛する人
●確かな学力と健康でたくましい心身を備え、自ら学び続ける人
●規範意識を備え、社会の一員として自ら責任ある行動がとれる人
●自分の考えをもち、他者と豊かなコミュニケーションがとれる人
●国際的な視野とチャレンジする心をもち、積極的に社会や地域に貢献できる人
■教育委員の主な活動
教育委員会では、毎月、定例会を開催し、基本方針の決定、規則等の制定改廃、教科書の採択などの議案について審議を行っています。また、学校訪問を実施し、学校経営・授業などに対し指導・助言を行うほか、学校保護者との懇談会や学校の研究発表会、都内教育委員会相互の連絡会に出席するなどの活動を行い、学校の状況や教育行政をめぐる諸課題の把握に努めています。
教育委員会の会議の開催予定や会議録は、市ホームページに掲載しています。
平成29年度下半期の主な審議案件と活動
10月
○教育長の三鷹市土地開発公社理事の兼職の承認
●東京都市町村教育委員会連合会管外視察研修 出席
●東京都市町村教育委員会連合会第4ブロック研修会 出席
●学校訪問(中原小学校)
11月
○平成29年度一般会計補正予算見積書
●市町村教育委員会研究協議会 出席
●学校訪問(羽沢小学校)
12月
○三鷹市立図書館の基本的運営方針
○三鷹市文化財保護審議会への諮問
○校長人事の内申
●教育委員会と教員との学校における働き方改革に関する懇談会
●第2回総合教育会議 出席
1月
○平成30年度一般会計予算見積書
○三鷹市登録有形文化財の登録の抹消
●東京都市町村教育委員会連合会常任理事会・理事会・理事研修会 出席
●学校訪問(井口小学校)
●教育委員会と市立小・中学校の保護者代表との教育に関する懇談会
2月
○平成30年度基本方針の承認
○三鷹市非常勤の特別職職員の報酬及び費用弁償条例の一部改正の申出
○三鷹市教育委員会職員の臨時的任用に関する規則の一部改正
○三鷹市立小・中学校卒業式及び入学式に使用する告辞文(協議)
○校長人事の内申
○副校長人事の内申
●東京都市町村教育委員会連合会研修会 出席
●市町村教育委員研究協議会 出席
3月
○三鷹市立学校における働き方改革プラン
○三鷹市公立学校の管理運営に関する規則の一部改正
○三鷹市公立学校における学校運営協議会に関する規則の一部改正
(○は会議の案件、●は会議以外の活動)
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■三鷹の教育をさらに前へ(高部教育長コラム)
教育委員会教育長 高部 明夫(たかべ あきお)
三鷹市教育委員会では、この12年間「コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育」を進め、学校と保護者、地域との連携や協働により、児童・生徒の学力、人間力、社会力を育んできました。今では、学校支援ボランティアが年間2万人を超え、小・中学校の不登校数が始める前と比べて9割減少し、東京都の平均の10分の1となるなど安心して通える学校となっています。
国においては、このような三鷹市などの自治体での成果を踏まえ、平成29年4月には、学校運営協議会の設置の努力義務化や二つ以上の学校での学校運営協議会の設置を、平成28年4月には、義務教育学校や小中一貫型小学校・中学校の設置をそれぞれ可能とする法令改正を行いました。と同時に、これらを推進する人的支援、財政的支援も拡充されました。
そこで、三鷹市教育委員会では、これらを追い風としてさらにこの取り組みを充実させ、子どもたちの確かな成長を図っていきます。一つ目は、三鷹市の公立小中学校を小中一貫型小学校・中学校とするとともに、新学習指導要領を踏まえた9年間カリキュラムを実践していきます。三鷹市の小・中一貫教育は、既存の小学校、中学校を生かしながら、系統的で連続性のある9年間カリキュラムを中心に相互乗入れ授業や小学校での教科担任制を行っています。昨年度113名の教員・学識者で構成する作成委員会と13の教科・領域部会で検討し、子どもたちが身に付ける資質能力をそれぞれの教科の見方・考え方を踏まえて内容別に系統立てたカリキュラムを改訂しました。この9年間カリキュラムを基に、子どもたちの学習のつまずきを解消し、見通しをもった質の高い授業にして、「主体的・対話的で深い学び」を展開していきます。
二つ目は、学園の一体感をさらに強める改正です。学校ごとの学校運営協議会を学園単位のコミュニティ・スクール委員会に一本化するとともに、学園長の権限の明確化や学園での小・中学校教員兼務発令を行うほか、コミュニティ・スクール推進員を順次配置し、学校と学校支援ボランティアのマッチング機能を強化していきます。併せて、活動ハンドブックの発行やCSガイドの改訂など情報発信、情報共有を充実するとともに、学園ごとの企画提案予算の活用促進など、学校や保護者、地域のみなさまがやりがいを持って、子どもたちの成長につながる活動をさらに充実・発展していけるように取り組んでまいります。
今後ともよろしくご支援、ご協力をお願いいたします。