広報みたか2024年3月17日1面
■3月9日開館 三鷹市吉村昭書斎
最初の太宰治賞受賞者であり、『戦艦武蔵』をはじめとする歴史小説や『関東大震災』などの記録文学で知られる作家・吉村昭(1927-2006年)。井の頭に自宅を構え、敷地内に建てた離れの書斎で数多くの作品を執筆しました。市では寄贈された書斎を移築し、文化施設として整備。吉村が「この世で一番安らぐ場所」と表現した書斎で吉村文学をご堪能ください。
[問]同施設TEL0422-26-7500
学芸員が語る 吉村昭書斎のここが見どころ!
一番は移築・再現した書斎です。膨大な作品が生まれた書斎の四方を囲む本棚には、当時と同じ書籍が並びます。横幅が2.6メートルもある長机は、長編歴史小説『天狗争乱』を執筆中の机上を再現しました。史実に向き合い、たくさんの資料に埋もれて筆を進めた吉村が、そこにいるかのような臨場感あふれる空間をご体感ください。
交流棟には、吉村と妻で作家の津村節子の著作が並び、それらを手に取って読むことができます。
■開館記念企画展示「三鷹で暮らした吉村昭 三鷹市収蔵資料展」
吉村が近所の親しい友人に贈った品や書簡、原稿を寄せた三鷹市の刊行物など、三鷹での暮らしぶりや素顔がうかがえる資料を紹介します。
[日]令和7年1月13日(月・祝)まで
[申]期間中会場へ
※期間中展示替えあり。
吉村昭書斎
所在地 井の頭3-3-17(京王井の頭線井の頭公園駅から徒歩3分)
開館時間 午前10時〜午後5時30分
休館日 月曜日(休日の場合は開館し、翌日と翌々日が休館)、年末年始
入館料 書斎棟100円、交流棟無料
※中学生以下、障害者手帳持参の方と介助者、校外学習の高校生以下と引率教諭は無料。年間パスポート(300円)あり。
■市長コラム「吉村昭さんにとっての書斎とは」
三鷹市長 河村 孝
このほど、井の頭公園駅のそばに、作家・吉村昭さんの書斎を移築・再現することができました。ご自宅の庭先にあったこの書斎まで、吉村さんは毎日「通勤」されていました。机の前に座ると周囲には必要なものがすべてそろっていて、「執筆に集中できる」と上機嫌でお話しされていたことを思い出します。徹底した史実調査に基づく、記録文学の第一人者として知られる吉村さんは、取材でどんなに遠くへ出掛けても、とんぼ返りですぐに書斎に戻られていたというのも有名な話です。そのくらい、吉村さんの小説にとって大切な空間だったのです。それと同時に、書斎と同じ敷地の中に、作家であり、愛する奥様である津村節子さん、そしてご家族がいつもいらっしゃるということの意味は、吉村さんにとってとても大きなことだったのかもしれないと僭越ながら思います。
その日一日の執筆を終えると、ご近所の行きつけのお店で、編集者の方と一杯飲まれるのも無上の楽しみだったそうです。「文学のまち三鷹」の土壌は、そのようにして耕されてきたのかもしれません。
ぜひ、「三鷹市吉村昭書斎」にお越しください。そして、その雰囲気をじかに、たっぷりと味わってください。
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「河村市長に聞いてみた!」
市外局番「0422」は省略。 【主】主催者 【日】日時・期間 【人】対象・定員 【所】場所・会場 【講】講師 【¥】費用 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保育】保育あり 【手話】手話・要約筆記あり