緑と水の公園都市 三鷹市
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広報みたか2017年7月16日12面

■太宰治賞受賞者 サクラ・ヒロさん寄稿文

『タンゴ・イン・ザ・ダーク』で第33回太宰治賞を受賞したサクラ・ヒロさん(写真)が、6月16日に行われた太宰治朗読会に合わせて三鷹を訪れた時のエピソードを寄稿してくださいました。

 《この土地の人は、この川を、人喰い川と呼んで、恐怖している》

 太宰治の『乞食学生』という小説に、そんな一節がある。激流として知られた、玉川上水のことだ。しかし、同じ作品の中で、こうも書いている。《頭を挙げて見ると、玉川上水は深くゆるゆると流れて……》

 だいぶ、印象が違う。どっちが正解なのか。などと問うのは、野暮だろう。優しさと、計り知れない怖さを併せ持っている。それが玉川上水であり、太宰だった。
太宰はよく、玉川上水のほとりを散歩したそうだ。

 「一番好きな場所で、人生を締めくくりたかったのかもしれません」

 一緒に歩きながら教えてくれたのは、みたか観光ガイド協会の小谷野さん。今年の太宰治賞をいただいたご縁で、太宰ゆかりの地を案内してもらったのだ。桜桃忌まで、あと三日。にわか雨が上がり、風はさわやかだ。

 「人喰い川にしては、穏やかな流れですね」と聞けば、「先の東京オリンピックのとき、浄水場が移設されたのを機に、導水路としての役割を終えたんです」とのこと。なるほど今は、可憐な清流である。緑の茂った木々の隙間からのぞき込むと、小さな魚が泳いでいるのが見える。薄暗い水際に、紫陽花がひっそりと青い。太宰は、真夜中の川べりの道を、山崎富栄としばし歩き、それから入水したという。暗闇の中で、二人は何を語らったのだろう。人喰い川と呼ばれた昔を思い浮かべながら、水面を見つめる。姿は変えたが、この川は生きている。過去と今とが、二重写しになる。太宰の気持ちが、わかりそうで、……少し、怖くなる。

 この街には、太宰の気配が、あちこちに漂っている。太宰一家が利用したという伊勢元酒店(今は、太宰治文学サロンとして、ファンの集う場となっている)。山崎富栄と共に暮らした家(ここで胸を病み、喀血〈かっけつ〉したという)。小説を書くために、転々としたという仕事場の跡(落ち着かない人だったのだ。でも、物書きのはしくれとして、気持ちはわかる)。そして、「みたか井心亭」の百日紅。太宰邸の庭から移植されたもので、樹齢は五十年を優に超える。こんなに立派な百日紅は、見たことがない。官能的、といいたいほどになめらかな樹皮は、濡れたように淡い光を帯びる。それでいて、幹はどっしりと太く、いかにもしぶとい。ああ、ここにも、太宰。毎年、夏には燃えるような花がたくさん咲くという。壮観だろう。

 夜、「太宰を聴く」と題した朗読会にお邪魔した。三鷹市芸術文化センターは、クラシックから落語まで、幅広いジャンルの芸術家に愛される、優れた文化施設だ。朗読者は、リリー・フランキー氏。さすが名優。淡々としているのに、色っぽくて、またたく間に引き込まれる。目の前に、太宰がよみがえったかのよう。いや、少し違うか。太宰は、我々の中に、いる。芸術と自然と歴史を尊ぶ、三鷹というこの街で、そしてここに暮らす人々の心の中で、今も生き続けているのだ。

※写真はPDFをご覧ください。


■三鷹産業プラザまるごと夏まつり2017

つくろう 学ぼう 楽しもう

[主](株)まちづくり三鷹 [所]三鷹産業プラザ [申]特に記載のないものは当日会場へ
[問]同社TEL40-9669・[メール]marunatsu-office@mitaka.ne.jp・[HP]http://matitaka2.mall.mitaka.ne.jp/

7月29日(土)午前11時〜午後5時
わくわくキッズデー
 幼児・小学生向けの工作や、ものづくり体験が楽しめます。また、夏の星座のお話や星空体験が楽しめるプラネタリウムのほか、軽食やパン、スイーツも販売します。
エアドーム型プラネタリウム―夏の星空と三鷹発宇宙の旅のお話
[¥]高校生以上100円
AMラジオを作ろう!(要申込)
[日]午後1時30分〜3時30分
[人]小学4〜6年生20人(保護者見学可)
[申]必要事項(11面参照)・学校名を同社[メール]marunatsu-info@mitaka.ne.jpへ(先着制)
ファブスペースみたか 「ものづくりワークショップ」(両日開催)
・ひのきの「季枠(きわく)」×レジンでオリジナルバッジを作ろう [¥]600円
シニアSOHO普及サロン・三鷹「お名前シール・名刺作り」(両日開催)
[¥]10円
おもちゃの病院(両日開催)
[日]午前11時〜午後4時(30日(日)は午後2時まで)
[¥]特殊部品などの交換は実費
オリジナル望遠鏡をつくろう!(別会場ですのでご注意ください)
[所]天文・科学情報スペース(下連雀3-28-20三鷹中央ビル1階) [¥]100円

7月30日(日)午前11時〜午後4時
のびのびベビーデー
 お子さんの成長記録を残せるワークショップや、ハンドメード雑貨、ベビーグッズの販売など、親子で楽しめる催しが盛りだくさんです。
ワークショップ、ハンドメード雑貨やベビーグッズの販売など (協力:withbaby)
ベビーマッサージ(当日事前予約)、育児相談、体験・展示コーナーなど (協力:三鷹市助産師会)


■第5回三鷹まるごと絵本市 市内で実施する絵本のイベント企画を大募集

10月7日(土)〜22日(日)開催
一緒に絵本市をつくりましょう!

[主]みたか・子どもと絵本プロジェクト連絡会 [問]星と森と絵本の家TEL39-3401

 三鷹まるごと絵本市は、街の中で絵本と出会い、絵本を通して人と人とのコミュニケーションを楽しむイベントです。5回目の開催となる今年は、開催エリアを三鷹駅前から市内全域に拡大。広くみなさんから絵本を楽しむイベント企画を募集し、「みんなで作り上げる絵本市」を目指します。
 「絵本の魅力をいろんな人に伝えたい」「お店で絵本にちなんだ商品を検討している」とお考えのみなさん、絵本のいろいろな楽しみ方を提案し、企画を実現してみませんか。

[人]期間中、絵本に関連したイベントを市内で企画・運営できる方
※個人・法人は問いません。イベント経費の助成も予定しています(上限あり)。
[申]8月14日(月)までに必要事項(11面参照)・企画内容を同施設FAX39-3402・[メール]ehonnoie@city.mitaka.lg.jpへ(助成は選考のうえ決定)

イベント企画の相談会を開催します
[日]7月30日(日)午後1時〜3時 [所]三鷹駅前コミュニティセンター
[申]7月28日(金)までに星と森と絵本の家[メール]ehonnoie@city.mitaka.lg.jp

街の中で絵本が読める「絵本スポット」の参加店も募集中
[人]店頭に絵本と椅子を用意し、誰でも絵本が読めるスペースを提供できる店舗
※絵本(椅子)は1冊(1脚)から。期間中の管理は各店舗でお願いします。
[申]8月14日(月)までに店舗概要を星と森と絵本の家FAX39-3402・[メール]ehonnoie@city.mitaka.lg.jp


※詳細はPDFをご覧ください。


市外局番「0422」は省略。 【主】主催者 【日】日時・期間 【人】対象・定員 【所】場所・会場 【講】講師 【¥】費用 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保育】保育あり 【手話】手話・要約筆記あり

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