緑と水の公園都市 三鷹市
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広報みたか2012年8月5日12面

■太宰治賞受賞者 隼見果奈(はやみかな)さん寄稿文

「うつぶし」で第28回太宰治賞を受賞した隼見果奈さん(写真)が、6月24日に行われた太宰治作品朗読会に合わせて三鷹を訪れた時の印象を寄稿してくださいました。

 私はよく徘徊をする。散歩ではなく、あてどない徘徊を。けれども、場合によっては地元でさえ迷子になるほどの方向音痴なので、迷子になった際の恐ろしさと言ったらない。なのに、どうしてか徘徊をやめられない。

 三鷹は、何度か利用したことはあれども、それは単なる「利用」で、濃厚な思い出がなかった。ので、太宰治賞という賞を授かり、三鷹を散策する機会を与えられて、初めて三鷹にきちんと足をついた気持ちだった。三鷹、と言われて思い浮かぶのは、ジブリ美術館の『迷子になろうよ、いっしょに』のキャッチフレーズぐらいである。おかげで、三鷹を勝手に「迷子になる街」だと思っていた節があり、正直不安だったりもした。

 とはいえども、案内して下さった方は三鷹の専門家、三鷹プロであり、迷うわけがない。最初は緊張していた私も、丁寧な説明と紹介により、自然と楽しむ余裕が出てきた。

 主に案内して頂いたのは太宰ゆかりの場所だった。彼が自殺という壮絶な選択をした玉川上水も、今や樹木に埋もれて細い流れをたなびかせており、玉鹿石もどこか腰掛けの形に似ていて(もしかしたら太宰は今、ここに座っているのかもしれない……)と勝手な想像をしてしまったりもした。太宰治文学サロンは言うまでもなく、今も彼を愛してやまない人々の手によって、かの文豪に惚れそびれてしまった残念な読者である私でも「こんな一面もあったのか」と心躍る展示がされていた。

 そんな中、雰囲気が違ったのは禅林寺の墓前だった。桜桃忌を過ぎ掃除済みの墓前は静かな風景だった。しかし、その手入れが行き届いた気配は、太宰が三鷹に住み、三鷹で亡くなった一人の市民だったことを物語っていた。弔われた太宰が漸く溜め息をつき、ウトウトしたところで幾度も話し掛けられ、その声の熱烈さに苦笑しながら、今もまだ三鷹の街を歩き続けている姿が目に浮かんだ。それこそ、散歩ではなく、徘徊として。あてもなく、迷子みたいに。

 そんなふうに柄にもなく感傷的な気分に浸っていたら、踵を虫に食われた。山本有三記念館の壮麗な庭と個性的な家屋の外観に見惚れている隙に、三か所も。何やら「憂愁に浸っている暇があるのかい」と皮肉に満ちた声を聞いた気がして、振り返ったところで誰もいない。ただ、誰かを、すっぽり覆い隠してしまいそうな木蔭があるばかり。

 それにしても何に刺されたのやら、踵の赤みが引くまで随分かかった。今でもふとした瞬間に疼き出す痕を掻きつつ、PCに向かう日々を送っている。

 三鷹散策はとても楽しかったが、心残りがある。それは迷子にならなかったことだ。私は迷子が怖い。だが、三鷹の街には、迷ってみたいと思わせる磁力がある。次回はひとりで、あてもなく徘徊してみたい。もしかしたら、迷いこんだ四ツ辻の先で、思いもしなかった何かと出くわすかもしれない。それが文豪の影なのか、はたまた愛らしい森の怪物なのかは知れないが。何だか、それがどうしようもなく待ち遠しい自分がいる。


■第26回太宰治初秋作品朗読会

 太宰作品には代表作ばかりでなく、心にしみる随筆も数多くあります。特に人気作「富嶽百景」と「九月十月十一月」の読み合わせは、フリーアナウンサーで朗読家の原きよさん(写真)オリジナルの朗読をお楽しみいただけます。作品は、随筆「知らない人」、読み合わせ「富嶽百景」と随筆「九月十月十一月」。

[人]25人 
[日]9月8日(土)午後6時〜6時50分
[所]太宰治文学サロン
[申]8月27日(月)(消印有効)までに往復はがきに必要事項(11面参照)と参加人数(はがき1枚につき2人まで)を記入し、「〒181-0013下連雀3-16-14太宰治文学サロン朗読会係」へ(申込多数の場合は抽選)
[問]同サロンTEL0422-26-9150

※詳細はPDFをご覧ください。


■太宰治文学サロンに7万人目の来館者!

 平成20年3月1日にオープンした「太宰治文学サロン」の来館者が、7月29日に7万人を達成しました。
 記念すべき7万人目の来館者は、種田文夫さん・けい子さんご夫妻(写真・江戸川区在住)。ご夫妻は、以前にお住まいの近所に有名作家の旧宅が多数あったことから興味を持ち、今回、三鷹市を訪れたそうです。同サロン以外にも山本有三記念館と玉川上水を訪ねてくださいました。
 ご夫妻には、記念品と花束が贈呈されました。

[問]同サロンTEL0422-26-9150

※詳細はPDFをご覧ください。


■三鷹の森ジブリ美術館 市民、近隣市民1200組を抽選でご招待します!

[問]コミュニティ文化課TEL内線2517

三鷹市民デー 9月30日(日)
[人]市内在住の方600組

三鷹市民・近隣市民デー 10月1日(月)・都民の日
[人]三鷹市と近隣市(武蔵野市、小金井市、西東京市、調布市、府中市)在住の方600組

[申]8月15日(水)(必着)までに、はがきに代表者の必要事項(11面参照)・入館者全員の氏名・年齢・希望日(近隣市民は10月1日のみ)・希望入館時間(午前10時、正午、午後2時、4時のいずれか)を記入し「〒181-8555コミュニティ文化課」へ
※人数は4人まで(3歳以下は人数に含めない)。1人での申し込みも可能です。
※複数枚の申し込みは無効。当選者には9月初旬に招待状を郵送します。電話での当否の確認はできません。抽選結果の返信を希望する場合は、往復はがきでお申し込みください。


■三鷹阿波おどり

8月18日(土)19日(日)
今年も三鷹阿波おどりの季節がやってきました!
 三鷹の夏の風物詩「三鷹阿波おどり」が今年も開催されます。市内外、約30の連が華麗な踊りを披露します。是非、ご来場ください。

[主]三鷹阿波踊り振興会
[所]三鷹南口駅前商店街(中央通り)
[問]三鷹阿波踊り振興会事務局TEL0422-49-3111(三鷹商工会内)

8月18日(土)
開会式 午後5時30分
踊り開始 午後6時
終了 午後9時

8月19日(日)
踊り開始 午後6時
表彰式 午後8時40分
終了 午後9時


■ケーブルテレビで市の防災行政無線などの文字放送開始

[問]秘書広報課TEL内線2133

 8月1日から三鷹市の防災行政無線の情報を武蔵野三鷹ケーブルテレビ(株)のデータ放送画面に文字で表示します。市内で災害や緊急を要する事態が発生したときに防災行政無線で放送していますが、今回、防災行政無線の音声が聞き取りづらい場合への対応として導入しました。また、防災行政無線以外の緊急にお知らせする必要がある情報も表示します。
 この文字放送は、市内世帯の約80%以上に当たる約6万8,000世帯で見ることができます。画面は地デジ11チャンネル、JCNプラスチャンネルでご覧いただけます。


※詳細はPDFをご覧ください。


【主】主催者 【人】対象・定員 【日】日時・期間 【所】場所・会場 【¥】費用(記載のないものは無料) 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【託】託児あり

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