緑と水の公園都市 三鷹市
このページは広報みたかのバックナンバーです。 応募・募集・申込期限が終了している場合がありますのでご注意ください。

広報みたか2008年8月3日12面

■太宰治賞受賞の永瀬直矢さん寄稿文

『ロミオとインディアナ』で第24回太宰治賞を受賞した永瀬直矢さんが、6月22日に行われた太宰治朗読会に合わせて三鷹を訪れた時の印象を寄稿してくださいました。

 ぱちん、と音がしてブーツの爪先になにか当ったなと思ったら小さな石礫でした。何処ぞから落ちてきたらしく、見上げると頭上の葉叢がかすかに揺れています。太宰の墓前で手を合わせて立ち上がった直後のことです。もしや「おまえは受賞に値しない」という拒絶的メッセージでは?と訝りましたが、それなら私が禅林寺の境内や墓地に足を踏み入れたときにやってくれてもよさそうなもんです。と、そこまで考えて斜め後ろに視線を感じました、というのは嘘ですが、もしかしたら斜向かいの森先生が「順番ちゃうやろ」とお怒りなのかと思いそちらにも慌てて参拝致しました。自分を無理くり大日本文学史に組み込む愉しい妄想で御座いました。失礼しました。

 でもそんな気分にもなろうもんです。しのつく雨のなか案内して頂いた太宰所縁の場所は残念ながらほとんどが建替えられていましたが、横丁のところどころに見える黒ずんだ古い板壁が、痩身を屈めて下駄を引きずる覚束ない足取りの文士の姿を思い起こさせてくれます。その後ろ姿を追って玉川上水沿いに出くわした山本有三記念館の壮麗さに見惚れていると、「この家の前を通って太宰は駅前に通っていたんです」というご説明(門前で、けッ、つて唾吐いてる図が勝手に浮かんで参りました)。当時太宰の目に映る三鷹界隈の様子は国木田独歩が見たものとはかなり違っていたでしょうが、駅前の雑踏を抜ければまだワーズワースな景色を見渡すことができたはずです。いわば新旧の武蔵野の境界を日々往来していたわけです。

 そんなことを考えながら再び風の散歩道に戻り、鬱蒼と茂る木々を通してまんま『トトロ』に出てきそうな赤い屋根の木造家屋を見たとき、私の中にも一瞬どこか懐かしい往時の風景が広がりました。このときの心象はたぶん私自身の幼い頃の記憶にも繋がっていたと思います。「あと一年早けりゃなぁ」とは受賞後に親戚が集まった祝いの席で従兄弟が私にいった言葉でした。ちょうど一年前の六月に亡くなった叔母が、ジブリ美術館の方角とは逆、上流の隣町に住んでいて、バス停から橋を渡るたび、子供心にこの流れのどこかで太宰が死んだのだなぁと思うことが何度かあったんです。

 あれからどれくらい経つでしょう。苔むした大木の傍らに立ち、追憶に耽りながら今では溺れるのに難儀しそうな水嵩を再び見つめていると、からん、と下駄の音を聞きました。振り返れば丈高い着流しの背中が歩いてゆきます。《両岸の桜は、もう葉桜になっていて真青に茂り合い青い枝葉が両側から覆いかぶさり、青葉のトンネルのようである》。そして行く手に佇むはこちらも孤独なロボット兵。よーく目を凝らせば錆びた機械の身体に新たに芽吹く種子を宿しています。行く川の流れは絶えないものなのでしょう。けれど、あの樹陰濃い小径だけはどうか変わらないでいて欲しい。この次は、四月のなかば、ひろごろ、桜が散るのを待って参ります。

※詳細はPDFをご覧ください。


■インドネシア・ニアス島展

展示 8月27日(水)〜31日(日)
午前10時〜午後6時(31日は5時まで)

[主]ニアス島ネットワークプロジェクト
[所]芸術文化センター
[申]期間中会場へ

 2004年、2005年のスマトラ島沖地震で大きな被害を受けたニアス島の伝統的な文化財を展示します。グローバリズムの中で変化するニアス島の今を紹介します。

(1)いきもの?どうぐを作ろう「カラー粘土で身近な道具を生き物にしよう」
[人]小学生のお子さんと保護者20人
[日]8月28日(木)午後2時〜4時、8月29日(金)午後1時〜3時 [¥]500円(材料費)

(2)挑戦!ニアス編み「ニアス島のカゴを参考にして、一緒に編んでみよう!」
[人]15人 [日]8月31日(日)午後1時〜3時 [¥]500円(材料費)

(3)ギャラリートーク「島の力−ニアスの現在と過去」
 講師はニアス島ネットワークプロジェクトの西田昌之さん。
[人]20人 [日]8月28日(木)午後1時〜1時30分

(4)講演会「人間は智者か愚者か:インドネシアの世界遺産は語る」
 講師は国際基督教大学アジア文化研究所客員所員の染谷臣道さん。
[人]60人 [日]8月30日(土)午後1時〜3時30分

[所]いずれも芸術文化センター
[申](3)(4)は当日会場へ。(1)(2)は8月19日(火)(必着)までに往復はがきまたはメールに必要事項(11面参照)とメールアドレス、参加するワークショップ名と日程を記入し、「〒181-8585国際基督教大学本館255号室アジア文化研究所ニアス島ネットワークプロジェクト係」・[メール]niasproject@yahoo.co.jpへ(先着制)
[問]同研究所TEL33-3179、企画経営室TEL内線2116

※詳細はPDFをご覧ください。


■三鷹阿波おどり

[主]三鷹阿波踊り振興会
[所]三鷹南口駅前商店街
[問]同会事務局TEL49-3111

 三鷹の夏の風物詩「三鷹阿波おどり」では、市内・市外のおよそ30連が踊りの競演を繰り広げます。お誘い合わせのうえお越しください。

※詳細はPDFをご覧ください。


■川上郷自然の村

TEL0267-97-3206
FAX0267-97-3207
[HP]http://www.sizennomura.jp/
[体育館・グラウンドなど完備]
JRをご利用の方は、最寄駅(信濃川上駅)まで車で送迎します。宿泊申込の際にご予約ください。

暑い夏は川上郷でリフレッシュ!
夏休み中の空室は残りわずか!
夏休みの思い出作りに、ぜひ、川上郷自然の村をご利用ください。
※空室状況は電話でもお知らせしています。

お申し込み
 宿泊希望日の3日前までに電話(午前8時30分〜午後7時30分)、インターネット、ファクスで。

料金(1泊2食付)
◇大人3,500円から
◇小学生2,400円から
※チェックイン時に現地払い。

◆11月分の優先申し込み(団体分)
 15人以上の団体受付は、8月15日(金)午前8時30分から申込用紙に必要事項を記入して「〒384-1406川上村大字原591-362」・FAX0267-97-3207へ(郵送の場合は先に電話で仮予約をしてください)。
※団体優先申込用紙は(財)川上村振興公社が管理・運営する、自然の村ホームページからダウンロードできます。

※詳細はPDFをご覧ください。


※詳細はPDFをご覧ください。


【主】主催者 【人】対象・定員 【日】日時・期間 【所】場所・会場 【¥】費用(記載のないものは無料) 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保】保育あり

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