広報みたか2008年2月3日12面
■星と森と絵本の家 子どもと絵本プロジェクトの特色ある拠点として国立天文台1号宿舎を保存・活用
[問]コミュニティ文化室TEL内線2511
大正時代に建設された国立天文台の1号宿舎を整備し、子どもたちが自然に囲まれた昔の家で絵本の世界を体験できる「星と森と絵本の家(仮称)」として活用していきます。
この施設の運営や事業について市民のみなさんとともに検討するプログラムも始まります。
◆絵本の家の考え方
市では、絵本を通じて子どもたちが豊かに成長できる地域の環境をつくる「みたか・子どもと絵本プロジェクト」を推進しています。絵本の家は、このプロジェクトの取り組みのひとつとして、建物の特性や立地を生かした特色ある活動を行う拠点とします。
子どもたちが多様な絵本と出会い、絵本の中の世界を実際に体験することで、生き生きとした好奇心や豊かな感受性をはぐくむことを目的とします。
大正期の建物や国立天文台内の豊かな自然、天文学者の協力など、この施設ならではの資源を十分に活用することによって、プロジェクト全体を豊かに広げていきます。
◆1号宿舎とは
国立天文台の約26万m2の広大な敷地内にある1号宿舎は、大正4年に天文台長の家として建設されました。瓦ぶきの木造平屋建てで、広さ約180m2。伝統的な和風の造りの中に、当時の社会や住宅のあり方の変化がうかがえる文化財として重要な存在です。整備にあたっては、できるだけ大正期の建築当初のたたずまいを残し、市の登録有形文化財として保存・活用していきます。
◆整備の内容
1号宿舎を、現在の建築基準法に適合した建物として再築し、絵本や企画テーマの展示、読書や読み聞かせ、体験型プログラムなどの活動ができる空間として整備します。畳・ふすまなどを一部残し、子どもたちに、大正時代の自然に囲まれた暮らしぶりを実感してもらえるようにします。
また、建物をバリアフリーに利用できるようにするため、宿舎に連結して玄関やトイレ、書庫などのある管理棟を併設し、安全な遊びや学びの場として庭を整備します。
◆運営と事業内容
絵本の家は、市が国立天文台から建物を譲り受けて保存・活用のために整備し、敷地の無償貸与を受けて、市の施設として運営します。
市と国立天文台の協働により事業を実施し、多くの市民ボランティアが担い手として参加・交流する活躍の場にしていきます。
〈事業内容のイメージ〉
◇絵本の展示・紹介、自然や科学などのテーマ展示、昔の暮らしの展示
◇絵本づくり・工作・科学遊びなどの体験型プログラム、読み聞かせ、お話会
◇天文学、自然体験プログラム
◇科学や絵本、子育てなどの講座、セミナーなど
◆今後のスケジュール
今後、建物の設計を行い、平成20年度に整備工事などを行い、平成21年夏ごろに開設する予定です。これに並行して今年の3月から6月にかけて、絵本の家の建物や運営、事業内容などを考えるプランづくりの市民参加プログラムを行います。
絵本の家の活動プランづくりに参加しませんか?
3月に、絵本の家整備事業の説明、国立天文台と1号宿舎の見学会、ワークショップ形式の意見交換とアイデア会議などを実施します。くわしくは広報みたか2月17日号でお知らせします。
■みたかいきもの図鑑「コゲラ」
2月の厳しい寒さの中、落葉樹の林は葉を落として、枯れているようにも見えます。でも、よく見ると木々は冬芽をつけ、春の訪れを待っています。
そんな中を賑やかに鳴き交わしながら、小鳥の群れが移動していきます。シジュウカラを中心としたカラ類の混群です。混群とは、複数の種が混ざって群れをつくることです。
コゲラはこの群れの中で、枯れた幹や枝に写真のようにたてにとまり、コツコツと辺りに響く音を立てながら虫を探すスズメ大の小さなキツツキです。時折「ギィー」と、「油の切れた扉を開けるような音」と表現される特徴ある声をあげ、敏しょうに動いていきます。
市内では、住宅地で見かけることも多く、庭木の枯れ枝などに穴を開け、営巣することがあります。キツツキというと森の中にいるイメージが強いと思いますが、コゲラは30年ほど前から、都内の市街地でも普通に見かけるようになりました。まちのなかに緑が増え、同時に餌場や営巣場所となる枯れ木も増えた結果ではないか、といわれています。樹木の幹に穴を開け、木を枯らしてしまう穿孔虫(カミキリムシの幼虫など)を主に食べるコゲラは、緑を守る救世主といえます。
キツツキの仲間がたてにとまり、木を強く叩いたり、つついたりすることができるのは、2本の足としっかりした尾羽により3点支持をしているからです。この尾羽に触れると、まるで紙ヤスリのようにザラザラしていて、下に滑りにくくなっています。さらに、足指も2本ずつ対になっており、しっかりと幹の凹凸をつかむ構造になっています。
春、繁殖期を迎えて、多くの小鳥たちのオスが美しい声でさえずるのと同じように、キツツキの仲間は、枝や幹を激しく叩き、タララララ…という音をたてる「ドラミング」という行動をします。
寒さの中、自然はしっかりと息づいています。葉の少ないこの時期は野鳥の姿を見るのに最適な時期です。お近くの雑木林に出かけてみませんか?
参考文献「野鳥」カラー図鑑 日本交通公社
[問]緑と公園課TEL内線2833
■みたか平和映画祭
[問]企画経営室TEL内線2115
1945年3月10日の未明、東京大空襲により10万人もの尊い命が犠牲になりました。市では、「東京都平和の日」と定められた3月10日を記憶にとどめるため、「平和映画祭」を開催し各国の話題作を上映します。
[人]250人(先着制)
[日]3月8日(土)午前10時40分開場
[所]芸術文化センター星のホール
[申]当日会場へ。午前10時10分から各映画ごとに整理券配布(入場無料)。
◆上映スケジュール
「バルトの楽園」 11:10〜13:24
「一つの花」 14:00〜14:23
「クラッシュ」 14:40〜16:32
「ダーウィンの悪夢」 17:00〜18:52
「バルトの楽園」
出目昌伸監督
(日本/2006年/日本映画/134分)
第一次世界大戦中、日本軍捕虜となったドイツ兵は、各地の収容所で厳しい待遇を受けていた。だが、徳島の捕虜収容所長松江は、寛容な待遇で捕虜たちを迎える。
「一つの花」(アニメ)
神山征二郎監督・今西祐行原作
(日本/1991年/23分)
第二次世界大戦中の日本。戦況が悪化し食料が不足する中、父親は、お腹をすかせて食べ物をねだるわが子に、コスモスの花を一輪手渡して出征して行く。
「クラッシュ」 ポール・ハギス監督(アメリカ/2005年/112分)
ロサンゼルスのハイウエーで起きた1件の交通事故をきっかけに起こったトラブルが、人種・階級・職業の異なる人々の間に衝突を招く。
「ダーウィンの悪夢」 フーベルト・ザウパー監督(フランス/オーストリア/ベルギー合作/2004年/112分)
タンザニアのムワンザでは、外来魚ナイルパーチの一大魚産業が栄えている。加工された魚が、毎日諸外国へ運ばれて行く一方、生態系は破壊され、貧困や犯罪がはびこっていく。
【主】主催者 【人】対象・定員 【日】日時・期間 【所】場所・会場 【¥】費用(記載のないものは無料) 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保】保育あり