緑と水の公園都市 三鷹市
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広報みたか2007年9月16日1面

■三鷹に生きた文人たちの足跡を訪ねて

 三鷹は多くの作家が住んだまちです。この秋、こうした作家たちのうち、吉村昭、山本有三、三木露風の3人の足跡を訪ねる企画展を順次開催します。また、来年には太宰治に関する催しも予定しています。この機会に、三鷹を発信地とした文学に触れてみませんか。
[問]コミュニティ文化室TEL内線2517

吉村 昭
除夜の鐘の鳴る夜には、井の頭公園の
弁財天に初詣をし、帰途にその店に
寄るのが習わしであった。〜「ひとり旅」より〜

 昨年7月31日に79歳で亡くなった吉村昭は、昭和44年から井の頭公園の近くの閑静な住宅街に住んでいました。生前、「この辺りの人の気心が、生まれた日暮里の下町に似ていてね」と語るなど、井の頭界隈(かいわい)の雰囲気を大変気に入っていたようです。
  彼のエッセイの中には、井の頭公園西園のグラウンドで凧揚げをした話を始め、近くのすし屋で町内の人と親しくなった話、ATMで10万円を下ろそうとして10円玉がチャリンと出てきた話などがあり、綿密な取材で次々と長編の歴史小説を生み出した姿とはまた違う一面を見せてくれています。

1927〜2006、東京都出身。学習院大学中退。昭和41年「星への旅」で第二回太宰治賞を受賞し文壇デビュー。昭和62年日本芸術院賞受賞、日本芸術院会員。「戦艦武蔵」「破獄」「冷たい夏、熱い夏」「天狗争乱」など。

山本有三
太平洋戦争も、敗戦も三鷹の家で迎えた。
そういう意味で、三鷹は思い出の深い
土地である。〜「三鷹の思い出」より〜

 山本有三は昭和11年、執筆に適した静かな環境を求め、三鷹の地に越してきました。ここで、「路傍の石」や戯曲「米百俵」を執筆。戦中の本が乏しい時代には、自宅にミタカ少国民文庫を開設し、地域の子どもたちに蔵書を開放していました。
  昭和21年、進駐軍による家の接収で市外に転居しましたが、彼にとって三鷹は忘れがたい土地であったようで、「もし、家を接収されなかったら、私も市民として、三鷹にとどまっていたことであろう」と述べています。
  玉川上水沿いにある山本有三記念館は、当時の彼の自宅。大正15年ごろに建てられたこの建物は、特色あるデザインの希少な洋風建築として、三鷹市の指定文化財となっています。

1887〜1974、栃木県出身。東京帝国大学卒。大正時代に劇作家として出発、その後小説に進み、「路傍の石」「波」「真実一路」などを発表。平易な国語の実現や憲法の口語化にも尽くす。昭和33年三鷹市名誉市民、昭和40年文化勲章授与。

三木露風
田園の風光、清くして、涼気に富み、
晴天の日には我が家のほとりなる武蔵野より
遥かに富士山を見るを得てよろこばし。
〜「遠霞荘の記」より〜

 三木露風は昭和3年、人家の少ない田園地帯であった当時の三鷹村牟礼に転入。昭和39年に交通事故で没するまで36年間の後半生を、ここで暮らしていました。三鷹時代の露風は自然や田園生活を詩にするのを日課とし、詩誌「高踏」を主宰するほか、雑誌などで作品の発表を意欲的に行っていました。大正10年に彼が作詞し、昭和2年に山田耕筰が作曲した童謡「赤とんぼ」は、今なお多くの人々に親しまれています。
  また、市立高山小学校の校歌は、昭和38年に彼が作詞したものです。

1889〜1964、兵庫県出身。明治末から大正期の詩壇で北原白秋と並ぶ活躍をし、日本人の象徴詩を極めたと言われる。昭和38年紫綬褒章受賞、没後の昭和40年には勲四等瑞宝章追贈。代表的詩集に「廃園」「白き手の猟人」「幻の田園」など。

順次開催
三鷹にゆかりの文人たちの企画展

吉村 昭
◆吉村昭文学回顧展
  文学資料、写真などの展示
[日]10月17日(水)〜27日(土)午前10時〜午後6時(27日は3時まで)
[所]芸術文化センター
[申]期間中会場へ
◆追悼対談〜吉村昭その人と作品〜
  夫人で作家の津村節子さんと大河内昭爾さんの対談および「日本芸術院会員記録」のビデオ上映。
[日]10月26日(金)午後2時〜(開場1時30分)
[所]芸術文化センター 星のホール
[申]往復はがきに必要事項(7面記載例参照)を記入し、9月28日(金)(必着)までにコミュニティ文化室。1枚で2人まで申し込み可(定員200人。申込多数の場合は抽選)

山本有三
◆生誕120年記念展
  〜山本有三の生涯〜
[日]9月29日(土)〜平成20年4月13日(日)
[所]山本有三記念館
[申]期間中会場へ
◆講演会
「山本有三と日本の近代文学」
  講師は日本大学教授の曾根博義さん。
[日]10月20日(土)午後2時〜3時30分
[所]山本有三記念館
◆作品朗読会
  文学座の瀬戸口郁さんによる「真実一路」の朗読。
[日]10月27日(土)午後2時〜3時
[所]山本有三記念館
[申]いずれも往復はがきに必要事項(7面記載例参照)を記入し、講演会は10月3日(水)、朗読会は10月10日(水)(消印有効)までに「〒181-0013下連雀2-12-27山本有三記念館」。1枚で2人まで申し込み可(定員40人。申込多数の場合は抽選)

三木露風
◆三木露風展
〜三鷹で暮らした「赤とんぼ」の詩人〜
[日]11月10日(土)〜23日(祝)午前10時〜午後6時
[所]芸術文化センター
※11月10日(土)午前10時から、オープニングセレモニーとして、三木豊晴さんによる講演(三木露風「赤とんぼ」の世界)と、稲村なおこさんの歌唱によるミニコンサートを開催します。
[申]期間中会場へ。

※詳細はPDFをご覧ください。


■市長コラム「いざという時のために日々の備えを」

三鷹市長 清原 慶子

  一昨年の九月四日の夜から未明にかけて、市内は一時間に100ミリを超す局地的な集中豪雨に見舞われ、床上・床下・地下浸水が200戸以上も発生しました。
  そのため、三鷹市では下水の雨水管増設等の都市型水害対策を、これまで以上に強化してきました。異常気象が日常化し、集中豪雨の事例が増えてきたことで、市民の皆様からは、雨音を聞くと浸水が心配で、なかなか寝付けないとの声が届いています。
  今年も九月六日夜、強い台風九号が関東地方に上陸との予報に、三鷹市では、総務部、都市整備部、水道部をはじめとする職員が当日前から、雨水マスの清掃、下水や道路の監視等の予防措置に努めました。当日は警察署、消防署、消防団等関係機関との連携で臨機応変の対策をした結果、風による倒木の事例はありましたが、浸水やけが等の大きな被害は発生せずにすみました。
  台風シーズンの今、まだまだ集中豪雨による被害の発生が予想されます。七月一日に実施した総合水防訓練では、土のうに加えて、身近にある18リットルのプラスチック容器やビニール袋に水を入れて作る「水のう」づくりを実習しました。また、地下室や半地下室には水が浸水しやすいので、止水板や排水ポンプの整備、あらかじめの土のう等による浸水防止策が有効であることも確認しました。
  一人ひとりが日々、いざというときの備えに努めることで、水害をご一緒に防いでいきましょう。

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