緑と水の公園都市 三鷹市
このページは広報みたかのバックナンバーです。
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広報みたか2005年1月1日1面

■山本有三記念館

新春号 大正ロマンの香りを残した瀟洒な佇まい
三鷹市 山本有三記念館

 緑豊かな玉川上水沿いのほとり、「風の散歩道」沿いに建つ「三鷹市山本有三記念館」――戯曲作家、小説家の山本有三の旧宅です。個性的なデザインの3つのマントルピース(暖炉)や、晩餐客がくつろぐドローイングルーム(応接間)などを特徴とする本格的な大正末期の洋風建築。この家で、あの「路傍の石」や戯曲「米百俵」が書かれたのかと思うとちょっと意外で、不思議な気がします。逆境にあっても光明を求め成長する人間を描き、自邸を開放して子どもたちに読書の大切さを教えた有三の心に、この記念館で出会ってみませんか。

見学ガイド
◆開館 月曜日(※)・年末年始(12月28日〜1月4日)を除く毎日の午前9時30分〜午後4時30分
※月曜日が休日の場合は、祝休日を除く翌日と翌々日が休館
◆交通 JR三鷹駅から風の散歩道(玉川上水)沿いに徒歩10分。
◆入館無料。資料の閲覧については事前の申込が必要です。
下連雀2-12-27 TEL42-6233

【写真キャプション】玄関ホールに続く暖炉コーナー
【写真キャプション】2階への階段と装飾梁の天井
【写真キャプション】旧食堂のフード付き暖炉
【写真キャプション】有三が設けた書斎兼居間
※写真はPDFファイルをご参照ください。

家の歴史
◆自然の中に創作の場を求めて
 市指定文化財となっている山本有三記念館の建物は1926(大正15)年の竣工とされる洋風建築です。山本有三は、創作に適した自然を求めて1936(昭和11)年に、当時、雑木林に囲まれた閑静な環境にあったこの家に家族とともに移り住みました。後に有三は、三鷹市報に寄せた文章の中で、「私はここで、『新編路傍の石』を書き、『戦争とふたりの夫人』を書き、『米百俵』を書いた。新かなづかい、当用漢字の制定、新憲法の口語化にたずさわったのも、この時代のことである。(略)ミタカに住んでいたのは十一年ほどだが、ミタカは私にとって忘れがたい土地である。」(昭和40年11月3日発行三鷹市報「ミタカの思い出」)と記しています。

◆ミタカ少国民文庫の開設
 また、有三は児童向けの図書に深い関心を持ち、「日本少国民文庫」全16巻(昭和10〜12年 新潮社)の執筆や編集を行い、戦後には国語教科書を編纂するなど、青少年の教育にも情熱を注いでいます。1942(昭和17)年から戦禍の激しくなった1944(昭和19)年まで、1階応接間を「ミタカ少国民文庫」として蔵書を近隣の子どもたちに開放し、本の少ない時代に心の糧となる読書の大切さを教えています。
【写真キャプション】 ミタカ少国民文庫の新年会(昭和18年)
※写真はPDFファイルをご参照ください。

◆「有三青少年文庫」として
 戦後、この家が進駐軍に接収されたため、有三は転居し、1956(昭和31)年に、三鷹の家と土地を東京都に寄付しました。東京都は有三の意思を生かして1958(昭和33)年に都立教育研究所の施設「有三青少年文庫」を開設しました。専用バスで多摩地区の小学生を招き、学級文庫貸出を行うなど、ここで確立された読書指導の手法は全国に広まっていきました。

◆有三居住の頃の雰囲気に
 やがて、東京都から三鷹市に移管され、1986(昭和61)年に「三鷹市有三青少年文庫」が開館。児童図書の貸出、閲覧を行うほか、有三の遺品や資料を展示する記念室が設けられ、有三好みの和室も館内に移設されました。
 さらに、「三鷹市山本有三記念館」として再整備されたのは1996(平成8)年のこと。邸内は、有三居住当時の雰囲気を取り戻すべく、接収時代に塗られたペンキを剥離、寄木細工の床の磨き出し、マントルピースの修復などの改修が行われ、遺族から寄贈された約1400点にもおよぶ遺品や資料を公開するため、展示機能が充実されました。現在では、年間を通じて、展覧会や講演会などが開催されています。
【写真キャプション】 有三青少年文庫の頃(平成6年)
※写真はPDFファイルをご参照ください。

山本有三展「教訓と教養」

5月22日(日)まで開催中
 教訓は古い道徳観が作りだすように思われがちですが、有三は既存の説話や文学を用いた作品の中で、固有の啓示や諭しを生みだし、特有の人生訓を創造しました。


■市長コラム 輝け!三鷹の子どもたち

三鷹市長 清原慶子
 新年おめでとうございます。
 昨年末、市内の小中学生の皆さんに「地域安全マップ」をお渡しました。このマップは通学路や遊び場の安全に関する情報を学んで、外で元気に遊んでほしいという思いを込めて作成したものです。
 昨年は、子どもをめぐる痛ましい事件が相次ぎ、そうした報道に接するたびに地域社会を守る責任の重さを痛感しました。しかし、こうした時代にあっても、三鷹の子どもたちには、市内の緑に恵まれた自然を享受し、豊かな経験を積み重ねて、「生きる力」を培ってほしいと願っています。
 思いを同じくする市民のみなさんのご協力によって、昨年9月から「安全安心・市民協働パトロール」が始まりました。4月にオープンした「農業公園」も、都市農業の意義を実感していただくとともに、未来の子どもたちに豊かな環境を残していくための取り組みです。
 また、今年は、小中一貫教育校構想の開設準備や絵本館整備に向けた具体的な検討も始まります。
 春には、市民のみなさんのご意見を反映した「第3次三鷹市基本計画」の改定が確定します。私も、4年間の任期の折り返し点を迎えます。平成22(2010)年度までを計画期間とするこの計画を、市民のみなさんとの協働によって着実に進めて、子どもたち一人ひとりが輝き、心豊かに、たくましく育つまちの実現に全力を尽くしてまいります。


新春対談 4・5面

 絵本・童話作家として活躍する市内在住の舟崎克彦さん(白百合女子大学助教授)と清原慶子市長が語り合います。

【写真キャプション】※写真はPDFファイルをご参照ください。


※詳細はPDFをご覧ください。


【主】主催者 【人】対象・定員 【日】日時・期間 【所】場所・会場 【¥】費用(記載のないものは無料) 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保】保育あり

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