緑と水の公園都市 三鷹市
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広報みたか2004年8月1日12面

■五小オヤジの会主催 楽しく防災! 五小でキャンプ

防災! カレーライス! キャンプファイヤー!
 夏休み直前の7月17・18日、第五小学校で、子どもたちが学校に泊まりこむイベント「楽しく防災!!五小でキャンプ」が行われました。
 主催したのは同校児童のお父さんたちがつくった「オヤジの会」、地域での交流が少ない「オヤジ」たちが自分たちも楽しみながら子どもとのふれあいを増やそうと計画したものです。
 会は昨年の6月に活動を開始、以後「わくわくオヤジ屋台」、竹とんぼ・薫製作りと続き、今回はいよいよ当初から目的のお泊り会の実施にこぎつけました。
 キャンプは学校の全面的な支援のもと、三鷹消防署、消防団などの協力をも得て、防災訓練も盛り込んだ内容になりました。
 また、開始時から全ての門と校内には「オヤジ」が警備に立ち、子どもたちには定期的に点呼をとるなど、安全にも万全の配慮をしました。
 当日は午後4時30分の開会式に始まり、放水体験など消防イベント、子どもと「オヤジ」の手作りカレーライスによる夕食、キャンプファイヤーと続きました。
 日帰りの子はここまで、迎えの保護者と一緒に帰ります。宿泊の子は消灯まで映画会やプラネタリウムを楽しみました。
 寝るのは1〜5年生は体育館、6年生は自分たちで設置した校庭のテントです。疲れてすぐ寝てしまう子もいれば、うれしくってずいぶん遅くまで起きていた子もいたようです。
 翌日は6時に起床、朝食後、8時に解散となりました。
 お友達と一緒の学校でのお泊り会、これが楽しくないはずがありません。初めは知らない人との行動に戸惑っていた子どもも、最後にはそれが面白かったと話していました。
 「反省会にいつも次の会の企画が出るんですよ」とはオヤジの会代表の西野和広さん。「オヤジ同士、ずいぶん知り合いも増えました。この催し、ずっと続けていきたい」と語るみなさん。
 新しい五小の伝統行事が生まれたようです。


■太宰治賞受賞の志賀泉さん寄稿

三鷹という「約束の地」
太宰治賞受賞の志賀泉さん寄稿
 「指の音楽」で第20回太宰治賞を受賞した志賀泉さんに、三鷹市の印象について寄稿していただきました。
 「毎日、武蔵野の夕陽は、大きい。ぶるぶる煮えたぎって落ちている」(『東京八景』)
 太宰治が三鷹の自宅から眺めた夕陽の描写である。「ぶるぶる」という身体性を喚起する一語により、太宰は夕陽を自分の心象に取り込んでいる。夕陽の震えはそのまま太宰の震えとなり、それは読者の共振を誘いもする。
 私は小平市の玉川上水沿いに住んでいる。夕刻に雲が切れていれば、武蔵野の夕陽は私のアパートの壁を茜色に染め上げる。
 「ひらら」という、私が個人で発行している冊子の表紙を、今回は太宰のこの名文で飾った。毎回旅のルポルタージュを発表しているのだが、「太宰治賞受賞特別号」の今回は旅を取り止め「東京物語」的な内容にした。
 今朝、「ひらら」の原稿をバッグに入れ、印刷会社のある三鷹に向かい、玉川上水沿いの道を自転車で走った。時間にしておよそ40分の距離。三鷹市内の印刷会社を選んだのは偶然にすぎない。タウンページの広告が大きかったという、それだけの理由だった。
 昨年6月に創刊した時は、まさかこんな運命が待っているとは夢にも思わなかった。先の見通しが立たないままに出版社を立ち上げ、わき起こる不安を蹴り飛ばすように自棄糞気味に上水沿いを走っていた。あれから一年がたつ。何度も同じ道を往復するうち徐々に自信がそなわってきた。太宰治賞を受賞した今は、上水を抜けて吹く風に背中を後押しされている気分でもある。
 印刷会社で入稿をすませ、足を伸ばして玉川上水沿いをさらに東へ。太宰が入水したとされる地点の玉鹿石に横目で目礼して通り過ぎ、山本有三記念館に入る。北欧風の西洋館で、サンルームの木椅子に腰掛け心地よさにひたる。山本有三は、12歳の私に「作家になりたい」という夢を与えた運命の人だ。
 上水沿いをもう少し先へ行くと、井の頭公園の雑木林に入る。戦後文学の巨人、埴谷雄高は深夜によくこの林を散歩し、闇に親しんでいたという。埴谷の父祖は私と同郷(福島県小高町)であり、私の実家の近くに彼の文学館がある。私の尊敬する作家の一人だ。
 そして、太宰かぶれの文学少年だった私が彼の名を冠した文学賞をいただき、しかもその賞は三鷹市と筑摩書房との共催であることを併せて考えると、不思議な因縁を感じる。
 私にとって三鷹は「約束の地」。こんな言い方は大袈裟だろうか。
 今日も、武蔵野の夕陽は、大きい。

【キャプション】
禅林寺・太宰治墓前にて


■図書館の本棚から

181「平和への祈り」
 平和を守るために私たちができることは何か。三鷹市の平和強調月間である今月は平和を願うメッセージが収められた本を紹介します。
 ここで紹介した本をお読みになりたい方は、図書館までお問い合せください。

「いま語り伝えたいこと」
〜三鷹戦時下の体験〜 三鷹市
 戦争の記憶を平和の祈りとともに後世に語り伝えるため、市内の戦災の状況を三鷹市民の体験を通して綴った記録集。昭和61年刊。

「孫娘からの質問状 おじいちゃん戦争のことを教えて」
(小学館文庫)
中條 高  著/小学館
 アメリカにいる孫娘から届いた手紙は、高校の授業の課題で、祖父への戦争に関する質問状だった。祖父の手紙には真摯に戦争体験を語り継ごうというメッセージがあふれている。

「国際協力と平和を考える50話」
(岩波ジュニア新書)
森 英樹 著/岩波書店
 世界の人々が安心して安全な生活を平和に送るにはどうしたらよいのか。21世紀のさまざまな課題を生き抜く方向を身近な50の話題で解説。

「戦争と子どもたち」
早乙女 勝元 著/河出書房新社
 戦災の体験を語り継ぐことが、戦争を阻止する方向への一歩になる。戦災のない未来に向けて願いを込めて書き上げた一冊。

「茜色の戦記」
津村 節子 著/新潮社
 戦時中、女学生として軍需工場で働くなど、著者自らの戦争体験を鮮かに描いた長編。市内在住作家。 

→三鷹図書館TEL43―9151


※詳細はPDFをご覧ください。


【主】主催者 【人】対象・定員 【日】日時・期間 【所】場所・会場 【¥】費用(記載のないものは無料) 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保】保育あり

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