緑と水の公園都市 三鷹市
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広報みたか2004年5月16日7面

■小・中一貫教育校構想に関する論点と考え方

幅広いご意見を聞きながら基本方針検討へ

 平成16年2月から3月にかけて開催した市立小・中一貫教育校構想に関する説明会などで、保護者や市民の方々からご意見やご質問をいただき、その内容を集約して、現段階における教育委員会としての考え方をまとめました。その概要をお知らせします(教育委員会指導室のホームページに全容を掲載)。
特に意見の多かった6年生の中学校舎への移行については、平成17年4月実施は困難な状況にあります。また、9年間の一貫カリキュラムの編成については、平成17年度から実施できるものから実施していきたいと考えています。
今後、さらに保護者、市民のみなさんとご意見交換を実施し、幅広く意見を聞きながら基本方針(素案)を作成していきます。
↓指導室Tel.内線3245


今、なぜ小・中一貫教育校か

確かな学力の向上と地域と一体となった魅力ある学校づくりを

●現行の義務教育の課題は?
都市化、核家族化、少子化などに代表される社会の急激な変化は、学校教育にも大きな影響を与えています。いじめや不登校の問題、学級崩壊、非行・問題行動などといった心に起因する問題、子どもの学習意欲低下など、これらの問題解決は決して容易なことではありません。保護者や地域の願いは、「子どもが安心して通える学校」であり、「確かな学力を保障してくれる学校」にあると考えます。
9年間の義務教育において、「子ども一人ひとりに確かな学力を身に付けさせ、豊かな人間性を育成することができる学校」「子どもたちが当面しているさまざまな課題に対し、地域社会と一体となって、解決することができる学校」「特色ある教育実践を集約して学校運営を行い、より一層の教育効果をあげる魅力ある学校」をつくるために、小・中一貫教育校が有効であると考えます。
三鷹市基本構想(平成13年9月市議会議決)に即して、子ども一人ひとりがいきいきと育つ学校教育の実現に向けて、基礎的、基本的な内容を重視した指導を行うとともに、新しい教育課題への取り組みを進めます。また、地域と綿密な連携を図り、多様なニーズに対応できる三鷹らしい教育を目指します。

●小学校から中学校への段差とは?
中学校に入学すると、小学校最上級生から中学校低学年という学年の位置付けや、複数の小学校から一緒になるという人間関係の変化、学級担任制から教科担任制への変更、英語、技術・家庭科、選択教科等の新しい教科の学習、部活動への参加など、子どもにとって学習環境に大きな変化があります。このことは、小学校での各学年進行による変化に比較すると大きな段差としてとらえられます。
この段差により、中学校入学時に学習や人間関係に不適応を起こす子どもが見られます。不登校が中学生で急増するひとつの要因ともいえます。
中学校では一人ひとりの実情を把握し、十分配慮した適応指導を行っていますが、6・3制の越えがたい課題といえます。この段差をゆるやかなスロープとするために小・中一貫教育校の構想を考えました。

学年区分の2・3・4制について


9年間を通した学習指導のねらいの重点化

●2・3・4制のメリットは何か?
2・3・4制(上表参照)は、現行の6・3制を変更する制度区分ではなく、9年間の教育課程の中で、学習指導の主なねらいを設定するための区分です。
その大きなメリットは、小学校と中学校とのカリキュラムの無理のない接続とねらいの重点化を図ることにより、確かな学力をつける学習指導が充実することにあります。また、中学校生活の後半が高校の入学選抜の影響を少なからず受けていることから、この時期を4年間とすることで、ゆとりをもって個性・能力の伸長にあてることができることもメリットです。
2・3・4制の実施にあたっての課題の解決については、説明会や今後の意見交換会での保護者や市民の方々からの意見を踏まえ、開設準備検討委員会で十分検討していきます。

●小・中一貫教育校にはどんな良さがあるのか?
小学校と中学校9年間の一貫した教育をとおして、基礎学力の充実と個性・能力の伸長、生涯にわたって学び続ける意欲・態度の育成を図っていきます。そして、指導の流れを切らせないことが可能ならば、学年進行とともに増加していく学習離れや不登校の問題も違った形になると考えます。
小・中一貫教育校については、現在全国で22地区が取り組んでいますが、国の構造改革特区の認定を得ることにより、従来の学校の施設・設備を大きく変えることなく、小・中学校間での子どもたちの交流や教員の交流、そしてカリキュラムの一貫化を通して小・中学校間の接続を図り、9年間の一貫した教育を行うことが可能になります。このことは、子どもたちの確かな成長への大きな布石になると確信します。

カリキュラムの編成と教育的効果は


9年間の一貫カリキュラムで授業改善

●カリキュラムはどのようになるのか?
9年間の一貫したカリキュラム編成により、義務教育9年間を見通した学習が行われるようになります。教員にとっては、授業のあり方を振り返り、改善する契機となります。
カリキュラム編成にあたっては、教科等だけでなく、学級担任制や教科担任制のつながり、学校行事、クラブ活動や部活動のつながりなども考え、学校教育全体を見通すことが大切と考えます。
小・中一貫教育校となれば、小学校と中学校の子どもが、そして教員が同じ環境で交流をし、学習をしていくことで授業方法の改善も図られ、互いに認め合うことができてくると考えます。
9年間のカリキュラム編成については、平成17年度から実施できるものから始めたいと考えています。

●コミュニティスクールとは?
地域住民が学校運営に参画して、地域の教育力を学校の活性化に生かしていこうとする、コミュニティスクールの構想は、現行制度のもとでも可能ですが、これまでの各学校区という範囲から、小・中一貫教育校の学区域に広げることにより、一層多様な人々の参加が得られ、学校行事や学習活動への協力だけでなく、子どもたちの健全育成や安全の確保の観点からも、大きな効果を発揮することが期待できます。

●英語教育・IT教育の必要性は?
この小・中一貫教育校の教育の特色のひとつである英語教育やIT教育は、これからの社会で生きていく子どもたちにとって必要な能力を育てるものであると考えます。小学校の段階でこれらの教育を取り入れていくことで、英語でいえば、相手と積極的にかかわろうとするコミュニケーション能力が高まり、子どもたちの成長にとって大きな力になると考えます。
また、IT教育は、コンピュータの操作能力や情報活用能力だけを目指すものではなく、現在既に社会問題となっているネットワーク犯罪を防ぎ、対応する力、情報モラル教育を進めていくことが小学校段階から必要であると考えています。

小学6年生の中学校校舎への移行は


段階的・弾力的な実施を検討

●現行制度での対応は?
三鷹市では、現在でも小・中学校における交流・連携教育が進められつつあります。しかし、小・中学校別校舎における教育活動の延長としての交流・連携教育であるため、日程の設定および内容の調整に手間取っており、教員間の共通理解を深め、校種を超えて指導し合い段差を解消するほどの成果を期待するには、限界があります。
小・中一貫教育校による取り組みは、この課題の解消に向けた成果が期待できます。

●移行方法の検討方策は?
6年生の中学校校舎への移行については、平成17年4月実施は困難な状況にありますので、今後さらに幅広く意見を聞きながら基本方針(素案)を作成する中で方向性を定めていきます。
ひとつの方策として、段階的・弾力的な実施を検討していきます。例えば、9年間の一貫したカリキュラムに基づき、小・中学校の教員の交流・連携による授業を行うとともに、6年生が中学校校舎で学習することで一層効果が上がる内容(英語活動や理科の実験、選択教科など)について、一定期間中学校に通学するといった方法が考えられます。
いずれにしても、具体的な実践を通して慎重に検証しながら工夫してまいります。

●不登校、つまずきがある児童への対応は?
小・中一貫教育校では、情報連携と行動連携とが可能となり、不登校や課題を抱えた児童の情報が小学校から中学校へ迅速かつ的確に提供され、指導に生かされます。同様に、学習活動についても、教員同士が相互に授業を交流することにより、今まで以上に子ども一人ひとりの課題や習熟の状況を把握でき、個に応じたきめ細かい指導が可能になります。

●教科書、転入・転出、私立中学受験は?
教科書は市内小・中学校の同一の教科書を使用します。中学校の教科内容を前倒しして指導するようなことはありません。したがって、転出入の際にも子どもの負担になったり、不利益を受けたりするようなことはありません。
私立中学校の受験についても、今までとなんら変わることはありません。むしろ中学生を目の前にして学習しますので、中学生の姿から自分の課題を発見したり、中学校生活への意欲付けになることも考えられます。

教員の指導体制


補助教員などの配置で指導体制を充実

●指導体制の充実は?
小・中一貫教育校では、全ての教育活動を東京都の教員だけで運営することは考えておりません。ALT(英語指導助手)や補助教員などの採用には市の財源も充当し、指導の充実を図っていきたいと考えています。また、東京都に対して、小・中一貫教育に意欲をもち、小学校と中学校両方の免許を取得している教員の配置を強く要請していきたいと考えています。

開設に向けた今後の取り組み


開設に向けた今後の取り組み

 次のスケジユールで、保護者、市民のみなさんのご意見を十分に聞く機会や準備期間を設け取り組んでいきます。
5月以降
●二中学校区の保護者、市民との意見交
換会の実施
●基本方針(素案)の作成
●二中学校区の保護者、市民との説明会の実施
●アンケートの実施
●基本方針(案)策定
●基本方針の確定
●開設準備検討委員会の委員募集
秋ごろ
●開設準備検討委員会の設置
学校関係者、PTA、保護者代表、同窓会代表、地域市民代表、公募市民、学識経験者などのメンバーで幅広く意見を聞きながら、開設準備にあたっての検討を進めます。  →指導室Tel.内線3245

保護者・市民のみなさんとの意見交換会日程
◆5月22日(土)午後2時から二小体育館
◆5月24日(月)午後2時30分から井口小体育館
◆5月25日(火)午後7時から二中体育館
◆5月28日(金)午後7時から三鷹市公会堂別館会議室
▼当日、直接会場へ。
※会場が体育館の場合は、上履きをご持参ください。


※詳細はPDFをご覧ください。


【主】主催者 【人】対象・定員 【日】日時・期間 【所】場所・会場 【¥】費用(記載のないものは無料) 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保】保育あり

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