緑と水の公園都市 三鷹市
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広報みたか2004年1月1日4面

■久保純子さん・清原慶子市長対談

久保純子さん&清原慶子市長対談
久保純子さんは、市立第五小、第三中へ通い、大学時代には第二中学校で教育実習を経験するなど、育った地である緑の多い三鷹が大好きだといいます。特に井の頭公園はザリガニを採ったり、象の花子に会いに行ったりと特別な想い出のある場所になっています。一方、清原市長も井の頭公園のそばで生まれ、井の頭公園を自分の庭のように感じて育ち、多くの緑と水と土に恵まれた三鷹を、これからも守り育てていくことを願っています。2004年という新しい年を迎えるにあたり、お二人に三鷹への想いや、くらしに身近な話題をお話していただきました。
アナウンサーになったきっかけは…
○ あけましておめでとうございます。
久保さんは小学校の時から三鷹にお住まいになられていらっしゃいますが、今では"クボジュン"という愛称で呼ばれ、幅広い人気で国際的にも活躍されていますね。そのきっかけとなった、アナウンサーというお仕事を選ぶきっかけになったのはどんなことですか?
○ 両親が共にアナウンサーでしたので、身近でその仕事を目にしていましたが、アナウンサーになることは実は全く考えていなかったんです。でも、海外での生活を通して世界の人々に出会い、いろいろな価値観に触れる中で、日本と海外それぞれの良いところが分かり世界が広がりましたので、そういう経験を生かせる仕事につきたいと考えました。
また、幼少期のそういった海外生活を通して、言葉の重要性を痛感していましたので、子どもたちに言葉で何かを伝えていく仕事をしたいと思いました。ですから、「日本版セサミストリート」のような子ども向けの語学番組を自分で構想し、司会もしながら子どもたちに新しい世界を伝える、という夢を持っています。
○ 実は私は、高校時代や大学時代はアナウンサーになりたかったんです。
大学1年のときにはアルバイトでFM局の番組アシスタントもやったんですよ。でもそこで感じたのは、アナウンサーという職業は、感じたことをただちに言葉にして表現するというとっても難しい仕事だということでした。今の時代は、自分の言葉で語れるアナウンサーがさらに求められていますよね。
私、アナログ人間なんです
○ 最近、久保さんはアナウンサーのお仕事以外に新しい役割を持たれているそうですね。
○ はい。アナウンサーの仕事を継続しつつ、娘が生まれたことを契機に、ここまで苦労して私を育ててくれた両親、特に母に少しでも恩返しをしたいと思って、母の経営する英語教室で子どもたちに英語を教えています。
そのほかに、12月にスイスのジュネーブで開催された国連主催の世界情報社会サミットの親善大使として、その意義を国内外に伝える広報活動を行っていました。
○ ジュネーブでのサミットはいかがでしたか?
○ 私自身アナログ人間でしたので、IT(情報技術)に関しては数々の発見と驚きの連続でした。サミットでは、ワークショップの司会ですとか、携帯電話などのモバイル機器のデモンストレーションのお手伝いをさせていただきました。
○ 聞くところによりますと、12月のサミットの前にジュネーブに行かれたときにはフランス語でコミュニケーションされたとか。
○ そうなんです。サミットの準備会合の議長さんがアフリカのマリ出身の方で、フランス語をお話になられたので、より心を打ち解けて国外に日本が真剣にITに取り組んでいることをお伝えしたくて、フランス語でお話をさせていただきました。
ところで、ITといえば三鷹市ですよね。
○ おかげさまで…。三鷹市では、80年代のINS実験をはじめ、学校インターネットの取り組み、SOHO支援事業などを行ってきました。
ところで、さきほど久保さんは、ご自分のことをアナログ人間なのでっておっしゃっていましたけど、人と人が直接出会うなかで育まれるアナログなことって大切だと思うんですね。
今年度から三鷹市では、「はじめての絵本事業」という事業を始めたんですが、子どもが絵本に出会うことって大切だと思うんですね。また、将来的には三鷹に絵本館をつくって、親子で絵本に触れて欲しいと思っているんです。文字や絵といった、いわゆるアナログとの出会いがITの時代ではさらに、大事なのではないかなと思います。
○ 女性の市長さんらしい事業で素敵ですね。ITの分野も、最終的に使うのは人間ですから、コンテンツ(内容)は簡単で便利というだけでなく、人の心が豊かになるようなものを作り出していければいいですよね。
子どもにはたくさんの人に出会ってほしい
○ 久保さんはご結婚されてお子さんがいらっしゃるわけですが、子育てをされているときに大切にしていることは何ですか?
○ 両親がずっと仕事をしていましたので、私はいろいろな方々にお世話になりながら育てられて、いろいろな価値観に触れてきました。今、母親になって思うのは、私だけの価値観で娘を育てるのではなく、できればいろいろな価値観に共感できるようになってほしいと思っています。
世界にはいろいろな人がいて、その多様性を自分で見て、聞いて、身体で感じとって欲しいと思います。ですから、子どもには積極的にたくさんの人に出会ってほしいと思っています。
○ 私も両親が仕事をしていましたから、久保さんのおっしゃることは良く分かります。
また、働いていたので、子どもが乳幼児のころは特に、仕事が忙しいときに子どものことが心配になったり、子どもに悪いなって思うことがありましたが、仕事をされていて久保さんはそういうことはありますか?
○ 私もいつも心の葛藤があります。仕事が忙しいときには娘は必ずといっていいほど夜泣きをします。そういう娘の姿を見るといつも、「私が忙しすぎるのではないか」と自己嫌悪に陥ります。でも、娘は二歳になったばかりですが、二歳でも立派なひとりの人間であって、私が一生懸命仕事をしている姿は必ず娘に伝わると思うのです。私が娘のために働くことをやめて、精一杯頑張る姿を見てもらえないことは、娘にとっても私にとっても良くないのではないかと感じています。ですから、これからも自信を持って働き続けたいと思っています。
お母さんたちの情報ネットワークがあったら素敵だなと思います
○ 三鷹に住んでいる親戚から、幼稚園でイベントを開きたいのだけど、手品や紙芝居などをやってくれる人はいないかと相談されたことがありました。それを聞いて、お母さんたちはいろいろな地域の情報を求めているけれども、その入手方法がなかなかないのだと感じました。そんなときにお母さんたち、あるいは幼稚園などの情報ネットワークがあったら素敵だなと思います。
○ 三鷹市では、「子育てねっと」の取り組みをしていますので、もっと活用していただくようPRに努めます。
久保さんは忙しい合間に親善大使をなさったり、英語を教えたりされているということでしたが、うまく時間のやりくりができれば、例えば子育てを終えた男性や女性が、子どもに昔語りとか昔遊びを教えたりというような、地域ぐるみの子育て環境づくりなんていいかなと、私、思っているんです。
また、昨年の12月に市民協働センターを開設しましたが、市民のみなさんが市民参加の最初の一歩を踏み出すきっかけとして情報を得られたり、交流できたりという場として機能すればと考えています。これからは、何かサポートを必要とされる方と提供できる方との出会いのような、人と人を結びつける仕掛けが必要なのではないかと思っています。
○ そうですね。最近、誘拐や虐待などの悲しい事件が相次いでいますが、地域が何らかの形で密着していれば、そういう事件が少なくなっていくのだと私は信じています。
○ 地域に人が目に見える形で活動していることが、まちの安全・安心の一番の基礎ですね。
三鷹市では、今、安全・安心のまちづくりが重要課題になっていますが、昨年の12月から、職員による「安全安心パトロール」という事業を始めました。今は職員だけの活動ですが、この動きをもっと広げてまちの見守り機能を強めていきたいと思います。
父が昨年定年退職したんですが、もったいないって言っているんです
○ お若い久保さんには想像がつかないかなと思いますが、高齢になったときに暮らしやすいまちづくりについて、ご提案がありますか?
○ 父が昨年定年退職したのですが、まだまだ若くはつらつとしていますし、社会に貢献できる能力をたくさん持っていると思います。定年はあくまで会社が定めたもので、個人差はあるかもしれませんが、退職してからの20数年間を有意義に過ごせるような、また豊富な人生経験を生かせるような仕組みが、社会にもっとあればいいと感じます。
またこれはイメージの問題ですが、"高齢者"や"シルバー"という響きもどこかネガティブな印象があって良くないのではないかと私は思います。"高齢者"と聞くと、随分歳をとっている感じがします。私でしたらそう言われるだけで、一気に老け込んでしまうと思います。いくつになっても輝き、いきいきとされている方たちに、もっと素敵な呼び方があれば本当にいいですよね。
○ 役所の施策の名称をつくるときに、配慮しなければいけないかしらと思います。シニア、シルバー、高齢者といろんな呼び方がありますが、ある一定の年齢を超えられて、もうひとつ目の人生のステージを迎えた方が、地域で固有名詞で活躍していただける場をつくっていければと思います。
赤ちゃんから長寿の方まで、生き生きと、それぞれの人生が輝けるようなまちづくりをこれからも進めていきたいと思います。
今日はありがとうございました。
○ こちらこそ本当にありがとうございました。

清原慶子市長
'51年東京都生まれ。'74年慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、同大学大学院法学研究科政治学修士課程、同大学院社会学研究科博士課程社会学専攻単位取得満期退学の後、慶應義塾大学文学部非常勤講師、常磐大学人間科学部専任講師、ルーテル学院大学文学部助教授、教授、東京工科大学教授、メディア学部長を経て、'03年4月より現職。
内閣府国民生活審議会、日本社会情報学会理事、司法制度改革推進本部「裁 2001年10月の「三鷹の森ジブリ美術館」(三鷹市立アニメーション美術館)誕生を記念して、スタジオジブリの宮崎駿監督が描いた三鷹市のキャラクターです。公募によって、西島萌絵ちゃん(当時4歳)が名付け親になりました。判制度・刑事検討会」および「公的弁護検討会」委員なども歴任。
三鷹に絵本館をつくって、親子で絵本に触れて欲しいと思っているんです。    清原市長

久保純子さん
'72年東京都生まれ。小学校時代をイギリスで過ごし、高校時代は米国に留学。'94年に慶應義塾大学文学部を卒業後、NHKに入局。その後、大阪放送局勤務を経て、'96年に東京アナウンス室へ。『ニュース11』でスポーツを担当し、“クボジュン”の愛称で視聴者の間に親しまれる。'98年から3年連続で『紅白歌合戦』の紅組司会を担当したほか、『プロジェクトX』『ポップジャム』などの人気番組の司会を務めた。'00年に結婚後、'02年1月に長女を出産。産休を経て、同年6月からNHKの専属アナウンサーとして契約社員となり、復職。現在は「お宝映像クイズ見ればナットク!」「地球ふしぎ大自然」を担当。昨年7月、総務省から“世界情報社会サミット”の親善大使に任命される。
三鷹ってジブリ美術館など、親子で楽しめる所があって良いですよね。      久保さん

Pokiとは…
2001年10月の「三鷹の森ジブリ美術館」(三鷹市立アニメーション美術館)誕生を記念して、スタジオジブリの宮崎駿監督が描いた三鷹市のキャラクターです。公募によって、西島萌絵ちゃん(当時4歳)が名付け親になりました。

対談が終わって、清原市長から久保さんに三鷹市のキャラクター、ポキのグッズがプレゼントされました。


※詳細はPDFをご覧ください。


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