緑と水の公園都市 三鷹市
このページは広報みたかのバックナンバーです。
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広報みたか2003年5月18日12面

■大沢家庭文庫に文部科学省子ども読書活動表彰

個人の家や地域の公会堂などに子どもの本を集めて、小学生やお母さんと一緒の小さな子どもに貸し出したり、読み聞かせやおはなし、楽しい行事なども行う「文庫」。35年間こうした活動を続ける「大沢家庭文庫」(大沢5―13―6栗山さん宅・蔵書約3千300冊)が、「子ども読書の日」の4月23日、「子どもの読書活動優秀実践団体表彰」(文部科学大臣賞)を受けました。
栗山規子さんが子どもに本を手渡す喜びをおぼえたのは、昭和30年代はじめ、都内の私立小学校で新任教師だったころ。当時は、「こどものとも」(福音館書店)が創刊されるなど戦後の新しい絵本が世に出始めたところで、教室で読みきかせると44人の目が一斉に本の世界に惹き込まれた様子や、次の朝早く登校し、一人で前日の本をめくっていた子どもの姿などは今でも忘れられないといいます。数年後、出産のため退職し、移り住んだ三鷹・大沢には当時、図書館も本屋もなく、ご長男が幼稚園に入ると、絵本がたくさんある栗山さんの家に友達が集まるようになりました。43年、市立図書館に団体貸し出し制度ができると早速200冊の本を借りて、りんご箱に包装紙を貼って本箱を作り、子ども部屋に置いて開設したのが「大沢家庭文庫」です。
本のほかにもおはなしや工作・実験、野川での野鳥観察、闇鍋パーティーもある「大沢家庭文庫」は近所の子どもたちの大好きな場所となり、それから35年、毎週文庫の日になると子どもが集まり続けました。この間、世話人の「おばちゃん」として協力したお母さん方や地域の方は90人。中には学生のときに世話人をして後に図書館学を学び、現在ニューヨークで児童図書館員として活躍する方や、子ども時代に文庫に通い、母となり世話人の仲間に入った方、子育てを終え、今度はお孫さんを文庫に連れて再び世話人をしている方もいます。
栗山さんは地域やほかの文庫と連携し、子どものよりよい読書環境をつくる運動にも広く携わってきました。大沢コミュニティセンター建設の際には住民による図書分科会のリーダーとして活躍。49年、市内の文庫(当時31文庫)が集まって結成された文庫連絡会では、市立図書館の5カ年計画への要望書提出を皮切りに、文庫連への市費助成の請願や、学校図書館に司書を配置する請願運動を行ってきました。近年は地元の羽沢小から依頼されて、学校図書館司書と協力して文庫の世話人たちで「おはなし会」などの授業をすることも多くなりました。
「長い間充実した活動を続けてこられたのは、子どもたちにエネルギーをもらい、周囲のみなさんや家族に支えられてきたおかげ。これからも文庫を通して、子どもたちの心に本への信頼と人への信頼を育て、本やおはなしの楽しい世界を分かちあっていけたら」と栗山さんは語ります。


■第19回太宰治賞、「たゆたふ蝋燭」に決定

受賞作は小林ゆりさん「たゆたふ蝋燭」
三鷹市と筑摩書房の共同主催で復活後5回目となる太宰治賞の最終選考会が、5月9日みたか井心亭で開かれ、作家の吉村昭さん、高井有一さん、柴田翔さん、評論家の加藤典洋さんにより、863編の応募作品の中から第19回太宰治賞が小林ゆりさん(写真)の「たゆたふ蝋燭(ろうそく)」に決まりました。
今回の受賞作「たゆたふ蝋燭」は、決して美人とはいえず、性格も暗く、恋も知らずにくよくよ人生を送ってきた27歳のOLの主人公が、あるきっかけで非日常の夜のステージショーの世界に飛び込んでいき、変身を遂げ自己を回復しながら、やがてさらに新しい未知の世界へ旅立っていくという、一風変わった味わいの恋と旅立ちの物語。選考委員の加藤さんは、「物語の骨格が太く、やむにやまれぬ切迫感、迫力がある」と評価しました。
受賞した小林さんは、埼玉県出身の26歳。大谷大学文学部哲学科を卒業し、現在、会社勤務、京都市に在住。
受賞の知らせを受け「とてもうれしい。これからもがんばって書いていきたい」と語っていました。
授賞式は6月17日(火)、東京會舘(千代田区)で行われ、正賞の記念品と副賞100万円が贈られます。
また受賞者は、7月11日(金)に三鷹市芸術文化センターで行われる「太宰を聴く〜太宰治朗読会〜」の中でご紹介する予定です。
なお、受賞作および最終候補作のすべてと選考委員の選評などを収録した「太宰治賞2003」は、筑摩書房から6月中旬(予定)に刊行されます。
◇第19回太宰治賞最終候補作品
岡本敬三「無言歌」
吉埜一生「ノイラートの船」 
小林ゆり「たゆたふ蝋燭」
◆「太宰治賞」
昭和39年に筑摩書房が創設した小説の公募新人賞で、この賞から、吉村昭さん(市内井の頭在住)をはじめ、宮尾登美子さん、宮本輝さんなど多くの著名作家を世に送り出した。昭和53年の第14回を最後に中断していたが、かねてから三鷹ゆかりの文人たちの文化の薫りを継承したいと考えていた三鷹市が、太宰治の没後50年を機に筑摩書房に呼びかけ、平成10年に共同主催の形で復活したもの。
コミュニティ文化室内線Tel.2517


■愛好家が開催、北村西望作品展

長崎の平和祈念像の作者 北村西望作品展
5月27日(火)〜6月1日(日)
三鷹市美術ギャラリーで
長崎の平和祈念像で有名な彫刻家・北村西望の、普段は観ることのできない貴重な作品の展示会が愛好家たちによって、三鷹市などの後援で開催されます。
北村西望は井の頭公園にアトリエを構え、三鷹市の小学生との交流なども行いながら長崎の「平和祈念像」(仙川公園には原型から作った「平和の像」があります)をはじめ、創作活動を行いました。その作品は自然文化園内の彫刻館で鑑賞することができます。しかしまた多くの作品が、特に余暇に書かれた書画などは個人の所有となり、普段は観ることができません。
今回の展示会は、そんな多くの作品が北村西望を愛する方々によって集められたものです。
◆主催
西望作品展示実行委員会
◆作品
彫刻30点、書画40点、小品20点
◆展示
5月27日(火)〜6月1日(日)午前10時〜午後6時(27日は午後1時から、1日は午後4時まで)、三鷹市美術ギャラリーで。入場無料。 
上杉宅042―555―Tel.2751


※詳細はPDFをご覧ください。


【主】主催者 【人】対象・定員 【日】日時・期間 【所】場所・会場 【¥】費用(記載のないものは無料) 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保】保育あり

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