緑と水の公園都市 三鷹市
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広報みたか2003年1月19日2面

■防災特集

1月15日〜21日は防災とボランティア週間
思い出して!! 
天災は忘れたころに「必ず」やってくる!

 みなさんも1度は聞いたことがあるタイトルの言葉は、夏目漱石と交遊があり、小説「吾輩は猫である」や「三四郎」の中に登場する人物のモデルともいわれる物理学者・寺田寅彦博士が、関東大震災後に警句として残したものです。

6千400人以上の犠牲者を出した阪神・淡路大震災が発生した時の状況を覚えていますか。
今年は関東大震災からちょうど80年目。この間、東京では死者を伴うような大きな地震は発生していません。みなさんは心のどこかで「東京では大地震は起きない」と思い始めてはいないでしょうか。
「のどもと過ぎれば…」といいますし、「天災は忘れたころに…」ともいわれます。私  地震の歴史からみると、三鷹市を含む南関東地域はすでに地震の活動期に入り、予知不可能な直下地震がいつ発生してもおかしくない状況であるといわれています。
1月15日〜21日は、防災とボランティア週間です。この機会に東京の大地震の歴史を確認し、「大地震は必ずくる」ということをしっかり心に刻み、大地震の発生に備えていきましょう。                         
防災課Tel.内線2283

忘れた時に襲う大地震

 1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)のとき、そして1923年(大正12年)の関東大震災(関東大地震)のとき、被災者の多くが「まさかここで大地震が発生するとは思わなかった」と語っています。
本当に地震発生の可能性がなかったのでしょうか。

忘却の被災体験

 阪神・淡路大震災から8年が経過した現在、実際に被災した地域でも記憶の風化がみられるそうです。まして東京を襲った大地震は80年前の関東大地震が最後です。
歳月の経過は被災の記憶を風化させ、人々の大地震への警戒心を弱め、そしてついには、自分が住む地域は地震が発生しない所であると思い込ませてしまうようです。

歴史が語る 東京の大地震

 東京を襲う危険性のある地震には、相模湾沖を震源とする海溝型巨大地震と東京の真下を震源とする直下地震の2つのタイプがあります。
海溝型巨大地震は、被害地域が半径60キロメートル程度となる大規模な地震で、南関東地域においては200年程の周期で繰り返すといわれ、最近では1703年の元禄地震、1923年の関東大地震がその例です。
直下地震は、被害地域の規模が半径30キロメートル程度と海溝型より小さくなるものの、都市直下の浅い所を震源とする場合にはかなり大きな被害をもたらします。1855年の安政江戸地震や1894年の東京地震などがこのタイプで、兵庫県南部地震もこのタイプに入ります。
この2つのタイプの地震の関係は表1のとおりで、元禄地震のあと70年ほどは静穏な状態が続き、その後直下地震の発生が始まります。最初は被害が少なかったものの、次第に大きな被害を出した安政江戸地震や東京地震などの地震が頻発し、ついに関東大地震が発生しています。

忘れないで!大地震は必ずきます

 これら過去の地震データなどから、関東大地震発生後80年経過した現在、南関東地域直下では地震の活動時期に入っていることが伺えます。
国の中央防災会議も、南関東地域を襲う直下地震発生の切迫性を警告しています。
このように現在の状況は、大地震発生の可能性が日々高くなっているということを忘れてはいけません。

直下地震は予告なく

 懸念される直下地震の発生の予知については、現在ほぼ不可能とされています。それゆえ直下地震は、ある日突然、予告なく私たちを襲います。
大きな直下地震発生の瞬間は、兵庫県南部地震時のテレビ映像などで、覚えている方も多いでしょう。
就寝中だった人は布団の上を転がり、コンビニエンスストアでは激しく揺れ動くカウンターに店員が必死につかまり立つことができませんでした。
大地震は起きたら最後、揺れがおさまるまで、人はほとんど何もできません。
このときの犠牲者の約9割は、家具・家屋の下敷きになったためでした。
さて、今この瞬間にこのような地震が発生したら、どのような被害が予想されるでしょうか。

その時三鷹市の被害は?

 平成9年に東京都が公表した「東京における直下地震の被害想定に関する調査報告」によると、三鷹市の被害が最も大きいと想定される区部の真下を震源とする直下地震が発生した場合、市内の約9割の区域が震度6弱を記録し、被害はおおよそ表2のようになると想定されています。
この数値は、直下地震が発生すればこうなってしまうという警告です。

生死を分ける日ごろの備えと心構え

 大地震発生時にみなさんの生死を分けるキーは、地震が起きる前の日ごろの心構えと備え、そして地震が起きた時のとっさの行動です。
大地震は必ずくるというしっかりとした心構えをもとに次のような日ごろの備えを行うことが必要です。
◆大地震のときの具体的な行動や役割分担等を話し合い、防災情報を共有する家族防災会議の開催
◆安全な避難のために、避難所・避難場所、避難路、避難方法の確認
◆家屋の耐震性の確認と家具の転倒・落下防止などのわが家の安全点検
◆3日分の食料と飲料水、生活必需品等の非常持出し品の準備
◆初期消火や応急救護方法等を身に付ける防災訓練の参加
◆となり近所との協力体制推進のため自主防災組織活動に参加など
市でも、市民みなさんの活動を支援するために、街頭消火器の設置や震災用井戸の指定、事業者等と災害時協定の締結、案内板・標識の整備や災害用備蓄倉庫の設置、そのほか総合防災訓練の実施、防火水槽の設置、防災無線の整備なども行っています。

◇  ◇

 このように来たる大地震に立ち向かうためには、市民のみなさん一人ひとりの心構えと行動が重要です。
「みんなのまちはみんなで守る」を合言葉に、これからもみなさんといっしょに災害に強いまちをつくっていきましょう。

広がる防災ネットワーク
災害時協力協定締結進む


大地震など大きな災害が発生すると、市役所や各防災機関も被災することが想定され、これらが災害発生直後から応急対策活動をフルに行うことには限界があります。
そこで、市では、市民のみなさんにも食糧や水の備蓄や応急救命技術の取得など防災行動力の向上をお願いするとともに、市内の企業や各種団体にも様々な協力のお願いを働きかけています。それぞれが平常時に活用している施設、設備、ネットワークなどを災害時に有効活用することで、災害時に市が実施する応急対策活動に協力してもらおうと、さまざまな協定の締結に取り組んでいます。
昨年は、市内の4団体と協定を締結しました。
市内の主要企業である日本無線(株)三鷹製作所および富士重工業(株)東京事業所とは災害時協力協定を締結し、市のさまざまな応急対策に可能な範囲で協力を得られることになりました。
さらに、(社)東京都トラック協会多摩支部とは、災害時の資機材、物資などの緊急輸送に協力してもらう内容の協定が成立しました。
また、災害時医療に関しても、すでに協定を締結している三鷹市医師会に加えて東京都三鷹市歯科医師会とも協定を締結しました。そして今月中には、三鷹市薬剤師会および国際基督教大学とも協定が締結される予定です。


■街頭消火器
大地震時に予想される火災や日常で発生した火災の早期消火を目的に配備しています。設置場所は、家屋の外塀やフェンスなど市民みなさまに協力をいただき、およそ120メートルに1本の割合で設置することとしています。
もし近くに街頭消火器がなく、設置場所を提供していただける方がおりましたら、ぜひ協力をお願いいたします。

■震災用井戸
災害時に断水したときに、井戸の近隣住民のみなさんに生活用水を供給することを目的として、井戸の所有者の協力により市が指定しています。
また、震災用井戸を給水所として開設するときは、所有者の方と市が協議し、給水の方法および時間等を定めます。
今後も井戸所有者のみなさまに協力をお願いし、井戸の充実を図る予定です。

■避難場所等掲示板
避難場所および避難所標示板は、災害時の広域避難場所、一時避難場所そして避難所となる施設に設置しています。中でも避難所施設の標示板には、避難所内の設備をマークで標示しています。


※詳細はPDFをご覧ください。


【主】主催者 【人】対象・定員 【日】日時・期間 【所】場所・会場 【¥】費用(記載のないものは無料) 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保】保育あり

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