緑と水の公園都市 三鷹市
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広報みたか2003年1月1日2面

■今 学校で「学校と地域の新しいかたち」

子どもたちの学ぶ心をサポート
−学校と地域の新しいかたち−

 昨年4月から始まった小中学校の完全学校週5日制と新学習指導要領をきっかけに、学力低下の懸念、土曜日の過ごし方、総合的な学習の時間、絶対評価など「教育」に関わる話題が各方面で盛んに議論されるようになりました。そんな中で、三鷹市内では、地域の人々が教育ボランティアとしてさまざまな形で学校に関わる新しい動きがたくさんありました。学校と地域の連携で広がる特色豊かな学習活動を紹介します。


■四小で地域の方が学校支援の独自団体を立ち上げ

 目指せNPO
夢育の学び舎は私たちが支えます

 地域との交流を進める三鷹市の小中学校の中でも、先進的な取り組みで知られる第四小学校では今、保護者や地域の方がNPOを設立して学校を支援しようという動きが進んでいます。そうした動きを追ってみると―

■夢育の学び舎構想

 四小では、保護者だけでなく地域の方々も巻き込んだ「参画型コミュニティスクール」で子どもたちの夢を育もうという「夢育の学び舎」構想が平成12年に始まりました。
ある分野での専門家が先生となって知識や技術を子どもたちに教える「コミュニティティーチャー(CT)」。おだんごや野菜作りから環境問題まで、ユニークで幅広い内容は子どもたちに大人気、みんなの興味や感動を呼び起こします。
授業中に学校の先生の助手としてお手伝いする「学習アドバイザー(SA)」。算数やミシンの指導では一人一人について教えてもらえるので、効果も抜群です。
そして、趣味や特技を生かして放課後にクラブ活動を指導する「きらめきボランティア」。たくさんの内容が目白押しで、韓国語や点字などめずらしいもの、さらに地域の大人を対象にしたクラブもあります。
現在、こうした活動を支えるボランティアの総勢は150人、この構想の提唱者・貝ノ瀬校長先生は「種をまいたのは学校ですが、それだけでは実らない。それを広げ、根付かせているのは地域の方なんです。三鷹にはすでにそうした土壌ができていました」と言います。

■夢育支援ネットワーク

 こうした活動をさらに進めようと教育ボランティアのみなさんが団体を組織したのが「夢育支援ネットワーク」です。
この会は12月16日(月)、約80人の会員により任意団体として発足したばかり。これまでは個々に学校とかかわっていたみなさんが、相互に連絡を取り合い、より主体的に学校に関係していく、そんな団体を作ったのです。
設立の一番の目的は、地域・家庭との協働による学校づくりという形を確立し地域にしっかりと根付かせること、「夢育」の継続を確かなものにすることです。
発起人のみなさんは、会の活動を維持する事務・連絡費を確保する上で有利なNPO法人化を目指すほか、将来的には四小以外の学校にも広く支援の手を伸ばすことができたらと構想しています。
同会事務局長で、地域でお好み焼き屋を営む小澤敏男さんは、自前のパソコンを四小に持ち込んで連絡網作りなどに忙しい毎日です。現在は、活動過程で知りうる個人情報を保護する方法などを検討中です。お子さんはとうに小学校を卒業していて、「夢育」とは地域の活動で巡り合いました。
「子どもが育つのは学校だけではなく、地域そのものなんです。その地域には素晴らしい人材がたくさんいる、そんな方を集めて学校を支えるお手伝いをしたい」という小澤さん。みなさんにとっての会に参加する意義をお聞きすると、「生きがいというか、子どもたちに元気をもらえるってことでしょうか」と笑顔で答えてくれました。
夢育支援ネットワークでは、現在、会員を募集中です。会の趣旨に賛同する方なら個人・団体、住んでいる地区や子どもの有無に関係なく参加できます。くわしくは第四小学校Tel.44―5373または同会事務局Tel.46―1625(小澤)へ。


■一小ダッシュ村

土曜日の農園とメール交換で知る「一粒のお米ができるまで」
新川三丁目の須藤嘉也さんの農園には、昨年5月から毎月、先生に引率された第一小学校の5年生の子どもたちが陸稲(もち米)の種まきから稲刈り、餅つきまでを体験に訪れるようになりました。
それまでは毎年、5年生が社会科の時間に脱穀の様子を見学に来ていましたが、須藤さんと学校が相談し「せっかく学校週5日制の完全実施が始まるから、土曜日を利用して、一粒の米ができるまでを実践で学んでみよう」と、「一小ダッシュ村」と名付けた取り組みを始めたのです。
種まき、株分け、草むしり、さくきり、ペットボトルの鳥追い作り、水やり、稲架(ハザ)がけ、稲刈り、天日干し、脱穀。そして、12月7日の精米の日には、たき火で焼き芋をしたり、芋煮を食べたりの収穫祭も。
一小で、学校と地域を結ぶイントラネットの実験が本格的に始まったのは、平成13年6月。須藤さんはこのときから、メンター(地域協力者)として参加してきました。このイントラネットを使って、画像を送れる携帯端末で稲の生育の様子を学校で授業中の子どもたちに見せて話し合ったり、子どもたちから送られてくる感想やさまざまな質問のメールに返信したりと、月1回の土曜日だけでなく、一小ダッシュ村の活動はネット上でも盛んでした。
ガソリンスタンドを経営し、副業の農業のほか、消防少年団、青少年対策委員などさまざまな活動にも携わる須藤さんは多忙です。
「だから、重荷にならない範囲で、私の仕事にたまたま子どもたちが加わるという程度に考えて作業日も私のペースで決め、天候の具合で延期できないときは済ませてしまって体験用に少し残しておいたり、できる範囲でやっています。メールの返事も、夜に開けて1人に2、3行ずつ書くぐらいですから」
実は、須藤さんは、第四小学校のイントラネットに関わるNPO法人「シニアSOHO普及サロン・三鷹」主催のパソコン教室を受講した縁で、一昨年から、学校域内に農家がない四小のピーナッツを題材にした総合学習「ぼくらぐんぐんピーナッツマン」にもメンターとして協力しています。
「農業は面白い、一人でやるのはもったいないと思う。うちには鶏もいるし、ミツバチも飼っているから、子どもたちが大喜びで遊んでいるのを見ると、私もうれしくなる。一粒の米ができるまでの過程を実践で知って、心を育てていってほしいですね」


■市内の小・中学生が美術ギャラリーで特別鑑賞

美術館はぼくらの教室
昨年、身近な美術館として親しまれている三鷹市美術ギャラリーで、市内の小中学生が休館日を利用して貸し切りで特別鑑賞会を行いました。
新学習指導要領にもある本物鑑賞の授業をもっと取り入れたい学校にとって、心配は子どもたちがほかの鑑賞者に迷惑をかけはしないかということ。そんな学校の事情を知り、助け船を出したのが美術ギャラリーです。学校に、休館日を利用して気軽に美術館を楽しんでほしいと提案したのです。
9月〜10月に美術ギャラリーで開かれた「ミロ―マヨルカ島の光の中で」展がその舞台に選ばれ、5日間の休館日に小学1年生から中学3年生まで、計530人の児童・生徒が学校ごとに見学しました。
同展はスペインの画家ジョアン・ミロの作品を創作過程なども含めて多角的に展示したもので、色彩に優れた作品には日本の書道に影響されたものなどもあり、難解と言われる現代美術ですが、みんなが楽しめるのではと選ばれました。
一般客のいない館内で10人前後のグループで作品を見て回ります。ときには絵の前に座り込んでの鑑賞で、いつもより気楽なムードで絵に向かいます。
見る、感想を述べ合ってから解説を聞く、うなずく子、不服そうな子に美術館ボランティアの人が「…と言われてるんだけれど、みんなが感じるように感じるのが正解かな」とさらに説明すると、なんとなくほっとする、そんな鑑賞が続きました。静かなおしゃべりならOKなので、友だちとちょっとした美術談義も。「ぜってー俺のほうが正しいよ」と自分なりの見方をすでに見つけた子もいたようでした。
終了後、「今度は1人で、または違う人と見てください。きっと、違った見え方がしますよ」と言われて美術ギャラリーを後にしました。
開館日に学年ごとや個人で見学した学校もあり、また、期間中何回入館しても無料となっていたので、本当にたびたび訪れる子もいたとか。
あなたのお子さん、意外なことに週末は美術館にいるかもしれませんよ。


※詳細はPDFをご覧ください。


【主】主催者 【人】対象・定員 【日】日時・期間 【所】場所・会場 【¥】費用(記載のないものは無料) 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保】保育あり

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