広報みたか2002年9月15日12面
■世界初・ミクロの医療技術開発に町工場が挑戦
ミクロの医療に道を開く
技術開発に町工場が挑戦!
三鷹光器(株)・(株)まちづくり三鷹などが共同
三鷹を舞台に、脳外科、眼科、整形・形成外科などの医療分野で超微細手術を可能とする世界初の技術開発プロジェクトが始まりました。
この事業は、宇宙観測機器や脳外科手術用顕微鏡開発などの技術で世界的に有名な市内企業・三鷹光器(株)(大沢五丁目)と、(株)河野製作所(千葉県市川市)、帝京大学、電気通信大学、ヲまちづくり三鷹が共同で、0・5ミリ以下0・1ミリまでの大きさの組織を手術する装置を開発するというもの。今年度の経済産業省の提案公募型事業に応募・受託したもので、実用化すれば世界で初めて直径0・1ミリの毛細血管などの手術が可能になります。
帝京大学医療技術学部の黒島永嗣教授、電気通信大学情報通信工学科の武田光夫教授らの協力を得て、三鷹光器が0・5ミリ以下の組織を立体的に見ることができる顕微鏡(最高倍率50倍)と、軽量で片手での操作が可能かつ操作時の振動を吸収する(3秒で振動停止)顕微鏡懸架装置を開発し、河野製作所で、直径30マイクロメートル(0・03ミリ)の針と新素材の糸、安定した持針機器を開発します。(株)まちづくり三鷹は事業の進行管理や事務手続きを通じてこれらの開発を支援していきます。
8月終わりのこの日、三鷹光器の事務所で顕微鏡の設計図面が検討されました。三鷹光器は昭和41年、「大沢で生まれ、国立天文台のドームを見て育った」中村義一さん(現会長)が弟・勝重さん(現社長)らとともに地元に設立した会社。従業員32人の町工場ですが、「ものをつくることが何より好き」という中村さんたちの大胆でユニークな発想を原動力に、観測用ロケットやスペースシャトルに搭載する宇宙観測機器、高精度天体望遠鏡、光学測定装置、産業機器や医療機器などで世界的な評価を得ています。
図面は、勝重さん(写真・左奥)が手で描きあげたもの。頭に浮かんだものを自分の手でデザインし、行き詰まるとまた最初から描き直して、と何度も続けていくうちに思考が整理されて新しいアイデアが浮かぶというのが中村さんのスタイルです。外国の一流メーカーの技術者と接する機会も多い中村さんですが、「このごろでは図面もみんなコンピュータ任せ。でも、コンピュータに慣れてしまった若い技術者から、考えて創造する力が失われてきている気がします」とのこと。帝京大学の黒島教授(写真・右奥)も、「手術の計画をたてるとき、いつもスケッチを描きながら考えます。何度も描き直して試行錯誤を繰り返しながら結論にたどり着く過程は、ものづくりと全く同じですね」といいます。お二人の話からは、新たなものに取り組む心意気が熱く伝わってきます。
目標は平成16年度の製品化。医療界に新しい可能性を開くこのプロジェクトの行方に、大いに期待しましょう。
■「ミローマヨルカ島の光の中で」展
10月14日(月・祝)まで
スペインを代表する芸術家ジョアン・ミロ(1893〜1983年)は1956年、地中海のマヨルカ島にアトリエを移し、90歳で亡くなるまで精力的に制作活動を続けました。このアトリエで描かれた油彩画、版画、素描、彫刻などを紹介し、その創作の原点に迫ります。
◆休館日
9月17日(火)・24日(火)・30日(月)・10月7日(月)
◆開館時間
午前10時〜午後8時(入館は7時30分まで)
◆主催
三鷹市美術ギャラリー
◆後援
スペイン大使館
◆観覧料
一般800円、学生(中・高・大)500円、65歳以上・小学生以下・障害者手帳をお持ちの方は無料
※この記事を切り抜いて展覧会にお持ちください。2人まで、一般入場料800円を640円に割り引きます。
■三鷹の森ジブリ美術館市民デー招待状を発送
「市民デー」に13.6倍16,000人の応募招待状を発送しました
三鷹市および近隣市民のみなさんを三鷹の森ジブリ美術館にご招待する、9月29日(日)の「三鷹市民デー」・10月1日(火)の「三鷹市民および近隣市民デー」に、たくさんのご応募をいただきました。2日間で合わせて1,200組(4人1組)の募集に対して、実に13.6倍にあたる16,000人の方から応募があり、10月1日の午前10時入場分は、なんと27.5倍を記録しました。
当選された方には、既に招待状を発送しています。なお、お電話などによる当否の確認はできません。
企画経営室Tel.内線2114
発送作業は市内の障害者施設で
今回の「市民デー」の招待状発送作業は、市内の障害者施設のみなさんが行っています。9月9日には、ワ-プロのあて名シールと切手を、招待状のはがきに貼る作業が行われました(写真=ゆうゆう舎で)。「シールを伸ばして貼るのは難しい」と、きれいな仕上がりを求められますが、「ジブリ美術館では新作の映画を見てきて欲しい」と作業にも熱がはいります。
市内の障害者施設とジブリ美術館との作業を通した交流は、美術館が開館した昨年から行われています。
市内の障害者施設16団体でつくる「三鷹市障害者ワーククラブ」のはたらきかけがきっかけで、昨年は、美術館が発送する郵便物のあて名書きや、開館に伴う資料のセットなどの作業を2・3カ所の施設で請け負い、開館準備を手伝いました。
今回は、知的障害者通所授産施設「三鷹第一作業所ゆうゆう舎」(21人が利用)と、精神障害者共同作業所「むうぷ舎中原店」(28人が利用)のみなさんが作業しました。ゆうゆう舎所長の松崎さんは「人気の高いジブリ美術館の仕事に、みんな張り切ってやっています。これからも地域の障害者施設でいろいろなお手伝いができれば」と話しています。
【主】主催者 【人】対象・定員 【日】日時・期間 【所】場所・会場 【¥】費用(記載のないものは無料) 【物】持ち物 【申】申込方法 【問】問い合わせ 【保】保育あり