緑と水の公園都市 三鷹市
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広報みたか2002年7月21日8面

■矢吹町100周年記念事業に三鷹管弦楽団演奏

三鷹市管弦楽団が矢吹町民合唱団と友好の共演
矢吹町100周年記念式典で

 矢吹が原に力強い交響楽と歌声が響く…。
7月7日、三鷹市の姉妹町である福島県矢吹町の町制施行100周年記念行事に、三鷹市管弦楽団が出演、矢吹町民合唱団との共演が実現しました。
三鷹市管弦楽団の矢吹町での公演は、昭和53年から定期的に実施されており、今回で10回目。クラシックとふれあうことのできる身近な機会として毎回大好評、前回(平成11年)は矢吹町民合唱団との初ジョイントで「第九」を披露し、喝采を浴びました。
今回は100周年記念式典のアトラクションとして行われ、演目は「校歌メドレー」。矢吹町内の小中学校の過去から現在までの校歌8曲と「矢吹町民の歌」を、当日の指揮を務めた福島県立白河高校教諭の鈴木敦さんが編曲し、クラシック風に仕上げました。編曲のテーマは「聴きなれた校歌をいかに予想外の音楽に仕上げるか」でした。そのねらいは大成功。聴衆はほとんどが矢吹町民で、校歌にはなれ親しんでいるはずなのに、所々にバッハやベートーベンなどの名曲のパロディーもちりばめた大胆なアレンジに、驚きと感嘆の様子で聴き入っていました。演奏が終わると、会場から割れんばかりのスタンディング・オベーションが沸き起こり、ジョイント・コンサートは大成功のうちに幕を閉じました。
この式典には、三鷹市から安田市長、吉野市議会議長なども参加、友好のハーモニーを楽しみました。
なお、この矢吹町100周年を記念して、三鷹市からは時計塔(写真)が寄贈され、JR矢吹駅前に設置されました。


■太宰治賞受賞の小川内初枝さん寄稿

6月22日、太宰治賞受賞者の小川内初枝さんが、三鷹市芸術文化センターで開催された「太宰を聴く〜太宰治朗読会」のために三鷹市を訪れました。作品「緊縛」で第18回太宰治賞を受賞した小川内さんは1966年大阪府生まれで、現在も大阪市にお住まいです。三鷹市での一日について寄稿していただきました。

 三鷹を訪ねて
三鷹市を訪れる計画があることを筑摩書房のかたからお聞きしたのは、太宰治賞の受賞が決定して二日後のことでした。その瞬間、私の意識は高校時代に溯っていたのです。
高校時代から二十歳代半ばまで、特に親しくしていた友がいました。彼が生まれて初めて小説を読んだのは、中学三年生の時、太宰の『人間失格』。それ以来本好きになったそうで、私が知り合ったころには、かなりの読書家になっていました。私は、太宰作品といえば小学生のころに数作読んだくらいでしたが、彼に触発されて、高校一年生の夏休みに初めて『人間失格』を手にしたのです。
確か、息を詰めるようにして読み耽ったような記憶があります。彼との交流がなくなるころは、別の作家を愛読していたように思いますが、『人間失格』は、私にとって青春時代を強く思い出させるものとなっています。
太宰治、人間失格、三鷹。あの『人間失格』が書かれた三鷹を訪れるのだという感慨は、太宰治賞受賞が決定して浮き立っていた私の胸に、静かな波紋のように広がってゆきました。
六月二十二日。雨が降りそうで降らない、静かなくもり空。JR三鷹駅に降り立った私の目の前には、繁華な街の賑わいが広がっています。その中を抜け、三鷹通りを南へ南へと進んで行くにつれて、次第に深まってゆく緑の鮮やかさ。日々の生活の必要性に密着しながらも、心を和ませる緑豊かな空間を併せ持つ町並みを目の当たりにして、私の目は、まるで引っ越しの下見をしに来た人のように、きょろきょろとし通しでした。
奥深く緑が繁る八幡大神社の前で、思わず深呼吸をしながら、太宰が眠る禅林寺へ。桜桃忌の直後だったせいか、太宰の墓は、さくらんぼで縁取られ、きれいな花々に囲まれながらも、静謐な佇まいを見せています。線香を手向け目を瞑ると、太宰への思い、若き日の記憶、書くことへの執着など、さまざまな想念が胸に去来します。そして、一人の作家の思いと、それを汲む人々の時を超えた繋がりの素晴らしさを改めて思いました。
禅林寺を後にして、私の運命の場所、みたか井心亭へ。
太宰治賞の審査が行われるこの施設は、本格的な茶室を備えているということで、茶道を習っている私は、興味津々、その茶室にも入らせて頂きました。
ほのかな明かりの下に座っていると、日本古来の文化を守ってゆこうとする気概と、新しい文学の芽を育もうとする豊かさを辺りの空気に感じ、受賞の喜びを改めてかみしめました。
少し北に上って山本有三記念館を見学し、玉川上水に沿う風の散歩道をそぞろ歩くと、とてもいい気分になりました。深い森を思わせる、鬱蒼といってもいいほどの緑が延々と続く上水べり。この緑のせいだと思うのですが、清々しい心持ちで、温かみのある土色の敷石をゆっくりと踏みしめながら歩いていると、太宰の入水場所に辿り着いたのです。
現在は水量も少なく、昔の面影を留めていないせいで、自死を誘う雰囲気などはなく、むしろ、淡いピンクの可憐な花が咲き誇っているのが印象的でした。
太宰治賞を受賞できたことで、三鷹市と少しでもご縁ができたことを、嬉しく、誇らしく思う一日でした。此の度は連雀界隈でしたが、次に訪れる時は、井の頭あたりを一人歩きしてみたい、と思っています。


■スーパー電気自動車KAZ登場

7月4日、三鷹市役所に高性能電気自動車「KAZ(カズ)」がやってきました。慶応大学環境情報学部の清水浩教授が中心となり開発したKAZは、世界最高速の時速311キロを記録して話題を呼んでいます。市では、清水教授のグループとの共同研究によって、コミュニティバスの電気自動車化を考えています。この日は、安田市長をはじめ市の幹部、報道関係者が試乗し、乗り心地を確かめました。
KAZは床下に動力のリチウム電池や速度制御装置が15センチの厚さで収納され、永久磁石モーターが小ぶりな8つの車輪に装着された8輪駆動車です。このため低床で車内スペースが広く、1回1時間程度の充電で約300キロの走行が可能。エンジンの振動や騒音もありません。環境、バリアフリー対応などさまざまな面でKAZの技術を使ったコミュニティバスの開発に期待がかけられています。
社会科見学で市役所に訪れていた第五小学校の3年生たちも、イタリアのデザイナーが設計した特徴的な流線型の姿を見かけて大喜び。一人ひとりゆったりと広い座席に乗り込ませてもらって、はしゃいでいました。


※詳細はPDFをご覧ください。


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