みたかの教育2026年9月20日1面
■英語でつながる、広がる学び
三鷹の英語教育の充実を図る「三鷹GLOBAL FUTURE PROJECT(グローバル フューチャー プロジェクト)」
三鷹市では、外国語活動および英語教育の充実を図るため、ALT(外国語指導助手)の活用を推進しています。英語を「学ぶ」だけでなく、「使う」ことを重視し、児童・生徒が主体的にコミュニケーションを図る多用な機会を創出しています。
令和7年度からは、ALT派遣事業を担う株式会社ハートコーポレイションと連携し、「話す力」「伝え合う力」の育成とともに、国際理解を深める教育活動を展開しています。今回はその中で代表的な取り組みを3つご紹介します。
→指導課TEL29-9819
三鷹English Festa(イングリッシュ フェスタ)
ALTと楽しみながら英語で交流!
小学校を対象として、1校あたり最大10名のALTが学校に集まり、英語を使った体験型イベントを実施しています。
中原小学校では、宝探し形式の「トレジャーゲーム」を実施しました。英語のヒントを頼りに校内を巡り、仲間と協力しながら目的地を見つけ出しました。
大沢台小学校では、ALTと一緒に体を動かしながら英語に親しむ「ペンギンダンス」が行われました。スクリーンに映し出されたペンギンの動きをまねながら、英語の掛け声に合わせて楽しく活動しました。子どもたちは、ゲームやダンスを通して自然に英語でのやり取りを行い、「伝わった!」という成功体験を味わっていました。笑顔あふれる活動の中で、英語でのコミュニケーション能力が着実に育まれています。
オンライン・ブレンディッド授業
対面×オンラインで広がるコミュニケーション
本事業では、通常の対面授業に加え、オンラインで海外にいるALTと少人数で交流する機会を組み合わせた「ブレンディッド型」の学習を実施しています。
第六中学校では、少人数グループごとにALTと英語で会話を行うことで、発話量が飛躍的に増え、教室内に自然なコミュニケーションの場が広がっていました。生徒からは「間違えても伝わることが分かり、自信がついた」「もっと話したいと思うようになった」との声もあり、「聞く、話す、読む、書く」などの言語運用能力の向上だけでなく、積極的に伝えようとする姿勢にもつながっています。
中学校スピーキングテストサポート事業
実践的な練習で本番に備える
東京都では、生徒の「話す力」を測るため、英語スピーキングテスト(ESAT-J)が導入されています。この流れを踏まえ、三鷹市では中学校3年生を対象に、スピーキングテストに向けた実践的な練習機会を設けています。ALTとの対話形式による練習を通じて、生徒は質問に対する応答や自分の考えを英語で表現する力を身に付けていきます。また、フィードバックを受けることで、自分の課題を明確にし、改善につなげることができます。この取り組みは、テスト対策にとどまらず、「自分の考えを英語で伝える力」の育成という観点からも、大きな意義をもっています。
■教育長コラム「世界とつながる学びを目指して」
教育長
松永 透(まつなが とおる)
私は、三鷹の英語教育をさらに充実させていきたいと考えています。その根底には、私自身の若い頃の体験があります。今から40年以上前、高校生だった私は全国高体連柔道部から柔道交換留学生としてアメリカに派遣される機会をいただきました。現地の高校では授業を受けながら学校生活を送り、授業で日本文化を紹介し、放課後は柔道を教える機会もありました。言葉や文化の違いに戸惑うこともありましたが、多くの方々が温かく迎えてくださり、「言葉は完璧でなくても心は通じ合える」ことを実感しました。この経験は私の視野を大きく広げ、その後の人生や教育観に深い影響を与えました。
私は、英語教育の本質は単に英語が話せるようになることではなく、英語を通して自分の考えを伝え、相手の文化や価値観を理解しようとすること、そして世界を広い視野で見つめる力を育むことだと考えています。三鷹市では「三鷹 GLOBAL FUTURE PROJECT」をスタートさせました。子どもたちが実際に英語を使いながら学ぶ機会を広げています。英語を「覚える学習」から「使う学習」へ、そして「世界とつながる学習」へと発展させていきたいと考えています。
今年、三鷹市はアメリカのラ・カニャーダ・フリントリッジ市との交流に向けて新たな一歩を踏み出しました。今後、子どもたち同士の交流が進めば、遠く離れた国に暮らす同世代の友人と出会い、多様な文化や考え方に触れる機会が生まれます。それは、教科書だけでは得られない本物の学びになるはずです。
私は、「平和は人を知ることから始まる」と考えています。互いを知らなければ理解は生まれません。しかし、対話を重ね、相手の文化や思いに触れることで信頼が育まれます。その信頼こそが平和な社会の土台です。国際交流や異文化理解は、未来の平和を築く学びでもあります。
私自身が若い頃に開いてもらった世界への扉を、今度は三鷹の子どもたちへ届けたい。その思いを胸に、一人ひとりの子どもが自信をもって世界とつながり、未来を切り拓いていけるよう、これからも英語教育と国際理解教育の充実に取り組んでまいります。
