みたかの教育2025年9月21日1面
■地域の皆さんとともに三鷹の子どもたちを育んでいます
三鷹市では、平成18年から「コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育」に取り組み、学校・家庭・地域が協力して子どもの学びや育ちの充実を図ってきました。地域の皆さんに関わっていただくことで、地域資源を活用した授業や様々な体験活動が行われています。
コミュニティ・スクール
学校・家庭・地域がともにつくる学校です。それぞれが当事者として協働することで、子どもたちを「通わせたい学園・学校」をつくります。
授業で…
地域資源を活用した授業や職場体験、学校支援ボランティアによる授業サポートなど、地域の皆さんの協力により子どもたちの学びの充実を図っています。
放課後で…
地域や大学生が見守る中で、「地域子どもクラブ」や「みたか地域未来塾」を実施しています。
地域子どもクラブ
学校施設を活用した文化・スポーツ活動等による子どもたちの居場所づくり
みたか地域未来塾
子どもたちの学習習慣の定着を支援
地域で…
学園・学校と地域が連携・協力して子どもたちを育む活動(地域学校協働活動)を推進する団体が各学園に1団体ずつ立ち上がり、子どもたちの発表の場づくりや地域の交流づくりに取り組んでいます。
●連雀ジョイナス(連雀学園)
●あささんネット(にしみたか学園)
●三鷹の森学園地域学校協働本部(三鷹の森学園)
●三鷹中央学園地域学校協働本部(三鷹中央学園)
●たかみんネット(鷹南学園)
●東三鷹学園地域学校協働本部(東三鷹学園)
●おおさぽ(おおさわ学園)
※コミュニティ・スクールの取り組みを動画や漫画で解説しています。ぜひご覧ください。
スクール・コミュニティ推進員が支えています
教育委員会が任命したスクール・コミュニティ推進員が、学校と地域の連携を支え、活動をスムーズに進める役割を担っています。
コミュニティ・スクールの取り組みを通して、子どもたちに関わる大人や地域のつながり=「スクール・コミュニティ」が広がっています。あなたも、スクール・コミュニティに加わってみませんか?
→地域学校協働課TEL29-8349
■教育委員コラム「コミュニティ・スクール/スクール・コミュニティ?」
教育委員会 委員
松原 拓郎(まつばら たくろう)
今号では「コミュニティ・スクール」のお話が書かれています。でももしかしたら、三鷹市教育委員会は何でそんなに「コミュニティ・スクール」推しなのか、いまいちピンとこない方も多いのではないかなあ・・と思ったりしています。今回は私のコラムターンなので、そのようなわけでコミュニティ・スクール/スクール・コミュニティについて私が思うことを書いてみます。
学校では情熱ある先生方に日々熱心かつ細やかなご指導をいただいています。でもそれでもなんとなく「ガッコウ」について、「閉じられた世界」に感じ、一定の価値観のもと、同調した生活を求められる雰囲気を感じる方もおられると思います。それは元々「ガッコウ」がまとっている雰囲気のようなもので、「先生−生徒」の関係、「先輩−後輩」の関係、部活、中学生であれば「高校受験」という暗黙のプレッシャー…、「ガッコウ」の中で、子どもも保護者もいろいろなことがありますよね。
私は、コミュニティ・スクールや、スクール・コミュニティによる地域とのつながりは、その同調性をゆるめ、自分の「自由」に気が付くきっかけにもなるもの、または「ガッコウ」をそのような「学校」に変えていくものだと思っています。校門を一歩出れば、そこには学校内とはまた違う雰囲気をまとった人(おとな)がたくさんいます。その方たちとのつながり、「ナナメの関係」を保障することで、子どもたちが様々なロールモデルを体感し、多様な考え方を持っていくきっかけになればいいなあ、と思っています。
学校は子どもの大切な居場所になってほしいと思いますが、狭い意味での「ガッコウ」だけが子どもの居場所ではありません。「ガッコウ」にいるときから「ガッコウ」外とのつながりを意識し、つながっていってもらえると、子どもは多様な価値観、柔軟な思考力と実践力、生きるための力といったものを身につけていくでしょう。そうなると「学校」も今度は、その本来的な意味を活かしていけるようになるのだと思います。そのためのツールとして「コミュニティ・スクール/スクール・コミュニティ」を活用していただきたいし、そのための在り方を考えていきたいと私は思っています。