みたかの教育2026年4月19日1面
■令和8年度 教育委員会の事業計画
4月に開催された教育委員会定例会で、令和8年度事業計画を決定しました。
教育委員会は、「三鷹市教育ビジョン2027」などに基づき、「共に学び、育む」「一人ひとりを大切に」「安全・安心・快適」の3つの基本的な方向性のもとで、子どもたち一人ひとりが「人間力」と「社会力」を主体的に発揮できるよう育むことを目指し、次の主要事業に取り組みます。
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1 コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育の更なる充実
●コミュニティ・スクール委員会の充実
●「三鷹市立小・中一貫教育の推進に係る実施方策」を踏まえた学園・学校運営、教育活動の充実
●「コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育」導入20周年記念フォーラムの実施 ほか
2 個人と社会のウェルビーイングの実現のための一人ひとりを大切にする教育の推進
●平和教育月間(「三鷹市平和の日(11月30日)」を含む11月)を中心とした平和教育の推進
●一人ひとりを大切にする学校風土の醸成
●自閉症・情緒障がい教育支援学級(固定制)の教育課程の改善に向けた研究
●校内支援教室支援員の拡充配置(小・中学校)と不登校巡回教員の継続配置(中学校)による支援の充実 ほか
3 子どもたちを導いていく教職員のウェルビーイングの実現
●業務量管理・健康確保措置実施計画(仮称)の策定と適切な実施
●各種専門スタッフの拡充による校務等支援の充実 ほか
4 安全安心で快適な学びの環境整備
●市立小学校児童を対象とした保冷剤付き背当てパッドの配布
●誰もが安全安心で快適に学べる学校施設・設備の整備の推進(3面参照)
●校外学習施設「三鷹市川上郷自然の村」の施設改修等に向けた基本計画の策定 ほか
5 スクール・コミュニティの発展
●学校3部制推進プランを踏まえた「学校3部制」の推進(3面参照) ほか
6 人と本と情報がつながり、市民に役立つ身近な図書館の実現
●学校図書館(土曜日)の地域開放の拡充に向けたモデル実施と効果検証(4面参照)
●子どもブックスポット事業の拡充
●神沢利子作品の原画展の開催 ほか
■教育委員会の活動について(令和7年10月〜令和8年3月)
教育委員会では、毎月、定例会を開催し、規則の制定改廃などの議案について審議を行っています。また、学校訪問を実施し、学校経営・授業などに対し指導・助言を行うほか、学校の研究発表会や都内市町村の教育委員会相互の連絡会に出席するなど、学校の状況や教育行政をめぐる諸課題の把握に努めています。教育委員会の会議の開催予定や会議録は、市[HP]に掲載しています。
令和7年10月〜令和8年3月の教育委員会の主な活動
10月
○三鷹市立学校の学校徴収金事務取扱規程の一部改正
○三鷹市社会教育委員の委嘱
●東京都市町村教育委員会連合会 第1回研修会・第4ブロック研修会
11月
○令和7年度三鷹市一般会計補正予算見積書
●学校訪問(第四小学校、中原小学校)
12月
●学校訪問(井口小学校、第一小学校)
1月
○令和8年度一般会計予算見積書
●東京都市町村教育委員会連合会 第3回理事会・第2回理事研修会
●教育委員会と市立小・中学校の保護者代表との教育に関する懇談会
2月
●学校訪問(第三小学校)
●第1回総合教育会議
●東京都市町村教育委員会連合会 第2回研修会
3月
○三鷹市教育委員会の権限に属する事務の補助執行に関する規則の一部改正
○三鷹市立学校教職員出勤記録整理規程の一部改正
○三鷹市立学校小・中一貫教育の推進に係る実施方策の改定
○学校3部制推進プランの策定
●教育委員会表彰 表彰式
(○は会議の案件、●は会議以外の活動)
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■教育委員コラム「子どもの権利に関する条例について」
三鷹市教育委員会委員
野村 幸史(のむら こうじ)
三鷹市が進めている「三鷹市子どもの権利に関する条例(仮称)」について触れたいと思います。市では平成20年に「三鷹子ども憲章」を制定して子どもの健やかな成長に向けて取り組んできましたが、人権意識の啓発・推進等を目的に令和6年に施行された「人権を尊重するまち三鷹条例」に基づき、子どもの権利条例(仮称)についての議論を行っています。
文部科学省が毎年実施する「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によれば、令和6年度の暴力行為、いじめ、不登校の件数は過去最多となりました。また、子ども家庭庁の調査では、生活状況によって子どもの学習・生活・心理などへの影響が示されています。子どもの健やかな成長に家庭教育が重要なことは確かですが、これら環境変化に臨んで文部科学省は「社会は家庭の応援団」とする標語を掲げて、家庭教育を支える取り組みを推進しています。子どもを巡る複雑で構造的な問題は、今や社会を挙げて対応すべき課題です。
検討委員会で検討されている条例素案(案)は市のホームページに掲載されていますが、前文に、子どもを権利主体として尊重すること、権利擁護と子どもの最善の利益を第一に考えること、子どもが幸せに暮らし将来に夢や希望を持つことができるまちの実現などが謳われています。また、権利保障のために市、保護者、市民および学校等の役割が定められ、権利侵害の救済を目指した権利擁護委員(仮称)を設置するとされています。子どもの権利を本人の状態や環境にかかわらず、人間の尊厳として保障することから社会づくりを目指すものです。
近年、権利についての考え方は社会契約論に代表される権利・義務の双務的関係から変化しています。権利は人の尊厳に基づき先に存在し、義務は権利を有効とするために後から導かれるとするものです。同様に子どもの権利についても、令和4年に成立した「こども基本法」によってそれまでの保護対象から、権利主体へと変わりつつあります。従ってまず、保護者や社会の責務としての対応や環境整備が求められます。続いて、子ども自身も発達段階に応じた責務を担える個人として育つように見守りや適宜の働きかけが必要ですが、どちらも私たちの主体的関与が肝要です。子どもの権利を守ることと、子どもが将来、他者の権利を尊重し社会の責任を担う市民へ育つことの両立を願うものであります。この条例が、家庭・学校・地域が協力してその両立を支える仕組みとして機能するように、多くの方々に関心を持っていただくことをお願い申し上げます。
