緑と水の公園都市 三鷹市
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みたかの教育2020年9月20日1面

■個別最適化された学びの実現に向けて

 三鷹市では、「人間力」と「社会力」を兼ね備えた子どもを育成するため、コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育により、連続性と系統性のある質の高い学びの提供に努めてきました。
 今後は、変化の激しい予測困難な時代に対応できるよう、これまでの取り組みを一層推進し、「個別最適化された学び」を実現するとともに、どのような状況でも、自律的な学習ができる子どもを育成します。
 この度、これらの実現に向けた取り組みの一つとして、市立小・中学校の児童・生徒に1人1台のタブレット端末を導入し、効果的な活用を通し、児童・生徒の学習状況や興味・関心などに応じた学びを行い、学力の確実な習得を目指します。

 →指導課TEL内線3248

「個別最適化された学び」とは?
 多様な子どもたち一人ひとりの習熟度、特性や興味に応じた学びを提供し、誰一人取り残されることなく、全ての児童・生徒の力を最大限に引き出す学びのことです。
 これらの学びを支えるためにICTや先端技術を活用し、児童・生徒の学習状況などの情報を把握・分析し、学校、児童・生徒、保護者が共有します。
 三鷹市では、小学校4年生から中学校3年生までの児童・生徒に市独自の学力調査を実施します。これにより、学習状況を経年で把握し、客観的なデータに基づいた学びを提供します。

1人1台タブレット端末を活用した学びの姿

すぐにでも・どの教科でも・誰でも使える
たとえば……
●検索サイトを活用した調べ学習、文章作成や発表で活用します。
●一斉学習、一人ひとりの学習状況に応じた個別学習、どちらの場面でも活用します。

教科の学びを深める、教科の学びの本質に迫る
たとえば……
●理科の授業で、観察・実験の際に、動画撮影し深く分析・考察します。
●社会の授業で、各自収集した様々なデータや地図情報を端末上で重ね合わせて深く分析をします。

教科の学びをつなぐ、社会課題などの解決や一人ひとりの夢の実現に活かす
たとえば……
●教科横断的な学習において、情報収集、議論、発表など様々な場面で、効果的に活用します。
●実社会の問題状況に関わる課題や、進路選択の情報収集などに役立てます。

「三鷹GIGA(ギガ)スクール構想研究推進事業」による研究開発
 タブレット端末の効果的な活用について、市立小・中学校の教員から「三鷹GIGAスクールマイスター」および「三鷹GIGAスクール研究開発委員」を任命し、月に1回程度の連絡会議を開催して、円滑な導入と効果的な活用が進められるよう協議と研究開発を行っています。

三鷹GIGAスクールマイスター
 年間指導計画の策定や活用にあたってのルールづくりを行い、教員の効果的活用を推進します。
三鷹GIGAスクール研究開発委員
 市内の教員が実践できる学習モデルを作成します。また、学習動画の内容や動画の活用方法について研究を行います。

「GIGAスクール構想」とは?
 1人1台端末と通信ネットワークの一体的な整備により、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、個別最適化され、資質・能力を一層確実に育成できる教育ICT環境の実現を目指す国の構想です。これまでの教育実践とICTとを効果的に融合させ、児童・生徒の力を最大限に引き出します。GIGAスクールのGIGAとは、Global and Innovation Gateway for Allの略です。

ケーブルテレビでの学習動画の放送
 三鷹市および武蔵野市の市立小・中学校の教員が中心となり、学習動画を作成し、夏休み期間に三鷹市と武蔵野市のケーブルテレビ(株式会社ジェイコム東京)で試行的に放送を行いました。三鷹市公式動画チャンネル(YouTube)およびジェイコムアプリ「ど・ろーかる」でも同内容を配信しています。
 本放送の視聴により、生活リズムを整えることや、家庭学習の習慣を身につけることに効果が見られました。今回得た成果を今後の学習動画教材の開発に生かしていきます。

ハイブリッド型学習研究開発校での研究
 令和2年度から2年間、鷹南学園東台小学校をハイブリッド型学習研究開発校に指定し、各学年の発達段階に応じたハイブリッド型学習などについての開発を進め、市内の学校へ広めていきます。

「ハイブリッド型学習」とは?
 日常の対面授業(オフライン学習)と、タブレット端末を活用したオンライン学習を組み合わせた学習形態です。

※写真はPDFをご覧ください。


■教育委員コラム「雨垂れ石を穿(うが)つ」

教育委員会 委員
冨士道 正尋
(ふじみち まさひろ)

 かつて、私が校長を務めていたある年、夏休みを控えた終業式で「雨垂れ石を穿つ」の話をしたことがありました。

 これは「漢書」の中に出てくる言葉です。軒下から一滴一滴落ちる雨だれさえも、長い間同じ所に落ち続ければ、ついには石に穴を開けてしまうという意味があります。それ自体は小さく弱いものでも、積み重ね集積した力は計り知れない大きな力になってしまうことはよくあります。

 夏休みを控えた子どもたちには充実した生活を送ってもらいたいと願いつつ、さらに何かを継続してやり抜くことに挑戦してほしいとの思いからその話をしたのでした。

 さて、今年は新型コロナウイルス禍の中、長い梅雨が明けると一転、連日猛暑が続きました。新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、旅行や帰省を踏み留まったご家庭も多くあったことと思います。また、子どもたちにとっても、夏休み期間中のプール開放の中止や部活動期間の短縮など例年とは全く異なった夏休みとなりました。

 今年度、市内の学校においては、四月から休校措置が実施されるとともに、運動会をはじめ様々な学校行事が見直されるなど、異例続きの毎日でした。

 すでに昨年度中に策定した授業や行事の計画の見直しを余儀なくされた学校からは、これまでの経験が全く役立たないという声もお聞きしました。

 学校再開後も教職員の皆さんは、地域の支援も得ながら、子どもたちの下校後に校内で消毒作業を実施するなど、子どもたちが安心して学校生活を送れるよう懸命に尽力されています。

 新型コロナウイルス禍がいつ収束するのか先が見えないこのような時代において、一つのことを継続してやり続けることの大切さを伝える「雨垂れ石を穿つ」の言葉の輝きがより増してきているように感じます。

 様々な状況の変化に対して正解が見つからない今、この言葉を改めて子どもたちに贈りたいと思います。

 常に前を向き、日々の積み重ねに挑戦する三鷹の子どもたちの姿を思い浮かべながら。

※写真はPDFをご覧ください。


※詳細はPDFをご覧ください。


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