
令和8(2026)年5月8日、第42回太宰治賞(株式会社筑摩書房・三鷹市主催)の選考委員会が三鷹市下連雀二丁目の「みたか井心亭(せいしんてい)」で開かれ、選考委員4氏(荒川洋治氏、奥泉光氏、中島京子氏、津村記久子氏)による厳正な選考の結果、下記のとおり受賞作が決定しました。

元日本チャンピオンであるカマモトの教則動画を観てボクシングの練習をしていたタローは、プロボクサーになるために青森から上京し、カマモトボクシングジムに入る。
しかしタローは反則をくり返し、アイドルグループのBiSHを聴きながら独り生活を続けるだけだった。
同郷のよしみ、共有される伝説、憧れられるカリスマといったものにまったく感情移入できない若者の物語。
中島京子さん
最終候補作品はそれぞれとても力のある作品で、選考に時間がかかった。受賞作は、一人称小説で、自分の人生に物語はないと思っている青年が、ボクシングを始めて勝ち上がっていく過程を、少し狂気を感じるような不思議な魅力で描いていた。また、青年の限界みたいな奥にあるものが、立ち上がってくる感じなどが面白く、評価され、今回の受賞に至った。
受賞したこがわゆうじろうさんは、東京都出身、埼玉県在住の42歳。
受賞の知らせを受けコメントをいただきました。
「私は明確にSNSに育てられた物書きで、Xを通じた交流によって未知の文学や執筆方法を勉強してきました。
そういった日々の中で太宰治賞の最終候補に選ばれ、Xで親交のある友人が三鷹にある太宰の墓で私の受賞を祈ってくれました。
そんな古風な応援が嬉しく、私も近い内に太宰の墓参りのために三鷹へ行きたいと思っています。
思い出に残る春をありがとうございます。」