星と森と絵本の家について

目的・沿革・事業紹介

三鷹市星と森と絵本の家は、世界天文年の平成21(2009)年に、国立天文台の協力のもとに三鷹市が設置・運営する展示施設としてオープンしました。天文台の豊かな森の中にある大正時代の建物を保存活用し、広い庭も使って、絵本の展示や絵本を楽しむ場の提供とともに、自然や科学への関心につながる活動を行っています。また、「星」「森」「絵本」「家」それぞれへの関心をきっかけとして人々が集い、多くの市民との協働によって運営されています。

写真:星と森と絵本の家の外観

「星と森と絵本の家」には、ここにしかない特徴があります

星と森と絵本の家では、絵本の持つ、子どものペースに合わせてページをめくるアナログな形式や、コミュニケーションとふれあいを深めるはたらき、科学や芸術のあらゆる分野への入り口となる多様さを大事にして活動しています。ここでは、まずは絵本をゆっくり楽しんでいただき、イベントやプログラムを賑やかに提供するというよりも、日常の中で子どもたちが主体的に、自分の感性や発見に導かれ、周囲の人たちとふれあいながら、「星と森と絵本の家の時間」を過ごすことを大切にしていきたいと思います。ゆったりとしたこの空間で、人や自然や自分と向き合いながら、人を思いやる心や科学する心の土台が育つことを願っています。

星と森と絵本の家ってどんなところ?

施設のメインとなる旧1号官舎部分は、書斎、畳敷きの客間、居間、長い廊下が続き、まるで大正・昭和の時代にタイムスリップしたような感覚です。調度は、実際に昭和30年以前に使われていたもので、市民から寄付された古い電話機や足踏み式のミシン、火鉢などがそこここに置かれています。絵本の家では、昔の道具を見て、触って体験できます。

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写真:旧1号官舎の長い廊下

絵本の家の絵本と展示

星と森と絵本の家では、3つのテーマ展示を行っています。

絵本展示室は1年ごとの企画展で、「見る・知る・感じる絵本展」と題し、絵本を通じて天文への興味を広げる体験型展示を行っています。

回廊ギャラリーでは、絵本の家で公募した星や宇宙に関する絵本の原画などを展示しています。

建築展示室では、常設展示として旧1号官舎の建築についてご覧いただけます。

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また、読書室には2,800冊におよぶ絵本などが並び、本棚は「ほし」「ちきゅう」「もり」「しょくぶつ」「どうぶつ」「ひと・くらし」の独自の分類に分かれています。棚のそれぞれのボックスは「水」「川」「大地」…のようにテーマがあり、ひとつのテーマに創作も図鑑も科学の本も並んでいます。本は貸し出していませんが、絵本の家の中ならどこでも自由に読むことができます。

写真:読書室の内部

絵本の家の事業

豊かな自然を残す天文台の森に囲まれた絵本の家の中庭では、週末などにボランティアによるクラフト体験ができます。また、天文台に自生している植物を育てる「草壇」があり、ボランティアのみんなが大切に世話をしています。

絵本の世界と、豊かな自然のふたつの入り口に恵まれた絵本の家では、自発的で主体的な活動の喜びを知っている大人(ボランティアも来館者も)が、楽しみながら子どもたちの創造力や想像力を育んでいます。

写真:中庭