コアシナガバチ(小脚長蜂)


 コアシナガバチは体長11〜17ミリメートルほどの小さなアシナガバチですが、スズメバチとも近縁の高度な社会性のハチです。日本に生息するアシナガバチの仲間は3属11種と言われています。

 5月ごろ、越冬した女王蜂が一匹で低木や垣根の中などに巣をつくりはじめ、卵を産み、幼虫を育てていきます。幼虫のエサとして主にチョウやガの幼虫(青虫、毛虫)などを狩ります。成虫は花の蜜や幼虫の分泌する栄養価の高い液をなめて生活しています。

 最初の働き蜂(すべて雌です)が羽化し始めると女王蜂は産卵に専念して子育ても加速し、働き蜂が次々に羽化し、青虫の増える暑い時期にうまくバランスをとってくれます。うまく付き合っていけばガーデニングの場においては害虫を退治してくれる救世主でもあります。筆者は庭の鉢植えに作られたコアシナガバチの営巣を、それぞれひと夏のあいだ観察しました。どちらも働き蜂が丁寧にバラの株の周りを丁寧に見てまわって、青虫を見つけては幼虫に運びます。暑い日に水を運んで幼虫に飲ませたり、羽で扇風機のように風を送る姿には感心させられます。

 ハチ、というと怖いイメージがありますが、アシナガバチの仲間はおとなしい蜂ですので巣を脅かしたり、手でつかんだりしなければ刺されることはありません。巣から20センチの位置にカメラを構えても大丈夫でした。しかし、万一刺されれば痛いですし、腫れあがりますので、刺されてしまったら病院に行ってください。筆者も自転車に乗っていてキアシナガバチに追いかけられて刺されたことがあります。運悪く、通りかかる前に巣を駆除されていたため、怒り狂った働き蜂だったようです。

 夏の終わりにはハチの個体数は数十匹になり、翌年の女王蜂と雄蜂が誕生します。観察していると雄蜂は顔つきも違って一見して区別ができます。雄蜂はほかの巣の女王蜂と交尾して短い一生を終えます。新しい女王蜂は越冬場所を探して冬眠に入ります。


このページの作成・発信部署
都市整備部 緑と公園課
電話番号 0422-29-9789


[0]メニュートップに戻る
[#]トップページへ戻る


(C)Mitaka City