モツゴ(持子)


 体長10cmほどのモツゴは、小川や池に棲む小魚で、関東ではクチボソの別名で親しまれています。この別名は上あごより下あごが突き出ていて、口元が細く見えることからきています。

 食性は雑食性で、小さな動物性プランクトンや藻類などさまざまなものを食べます。写真のように明確な側線(脊椎に沿った線)があり、若い個体はこの側線部分が黒い、という特徴があります。泥底を好み、水の汚染にもかなり強いと言われています。市内の河川や井の頭池などで見られますが、近年ブラックバスやブルーギルなどの外来種が移入された水域では食害によって著しく個体数が減少し、高知県や山口県のようにモツゴを絶滅危惧種に指定している県もあります。

 また、コイやフナなどの有用魚類は、人間による地域間の移動も盛んであるため、それらの魚に混じったモツゴが、本来生息していなかった地域に持ち込まれ増殖して近縁の種と交雑するということが多くなり、シナイモツゴ、ウシモツゴなどの近縁在来種の絶滅が心配されている地域もあるそうです。

 産卵期は初夏で、雄が掃除した小石の上に雌を呼び込み、雌に産卵を促します。産みつけられた卵が孵化するまでの10日間ほどの間、雄が付き添い、周囲のゴミを掃除するなど世話をする習性から「持子」と呼ばれているようです。この習性があるために繁殖の成功率が高く、汚染に強いともいわれています。

 今年の11月には、新川の丸池公園で丸池の「かい掘り*1」が行われました。このときにもたくさんのモツゴが確認されました。モツゴやオイカワなどの小魚は、より大きな魚や、カワセミ、カイツブリなど水辺の野鳥の重要な食糧にもなり、豊かな生態系を支えています。

注*1:かい掘り 池の水をすべて抜いて行う、ため池の大掃除。


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